放射線を懐中電灯の光に例えると診療放射線技師診療放射線技師主任 大沼主任 大沼外部被ばく放射線は体外で発生➡➡体が放射線を受けるという点は同じ放射線SvDNA損傷 被ばくとは人体が放射線にさらされることを言います。放射線を受ける形態が、外部被ばくなのか内部被ばくかでその防護方法が大きく異なります。外部被ばくとは、体の外部にある放射線源からの放射線被ばくやレントゲン等のことを言い、内部被ばくとは、経口摂取や吸引などにより、体内に取り込んだ放射性物質による被ばくのことを言います。● 宇宙や太陽から● 体表面汚染● 浮遊物 そもそも放射線とは、X線やガンマ線など医療に用いられる電磁波(光)です。アルファ線、ベータ線(放射性物質から)重粒子線(がん治療)「粒子」があります。放射線を出す物質を「放射性物質」、放射線を放出する能力を「放射能」といいます。懐中電灯に例えると、「放射性物質」は「懐中電灯」、「放射線」は懐中電灯から出る「光」、「放射能」は「電池(光を出す能力)」にあたります。放射線の単位は「グレイ」と「シーベルト」という単位を使用します。グレイは放射線が物に当たったとき放射線のエネルギーが物に吸収される量で、シーベルトは放射線が人に当たったときにどれだけ健康に影響があるかを表す量です。● 放射線発生装置から● 建物● 地表ご説明します!内部被ばく放射線が体内で発生レントゲンやCT検査の線量では人体に影響はほぼありませんが、放射線技師は少しでも被ばく線量が少なくなるように考慮して撮影をして● 放 射 線……光● 放射性物質……懐中電灯● 放 射 能……懐中電灯がもっている 光を出す能力● 呼吸、飲食● 肺● 放射性医薬品● 傷 みなさんは「放射線」と聞いてどんなことが浮かびますか? 放射線被ばくと聞くと、原発の事故や被ばくすると癌になる、と思う方がいると思います。あまり良いイメージを持っている方は少ないのではないでしょうか。今回は放射線をどのくらいあびるとどんな影響が体に出るのか、またレントゲン等のX線を使用した検査ではどの程度被ばくしているのかを説明していきます。 放射線は物を透過する性質がありますが、あらゆるものを透過するわけではありません。アルファ線は紙1枚で遮ることができます。同様に、ベータ線はアルミニウムなどの薄い金属板、ガンマ線・エックス線は鉛や鉄の厚い板、中性子線は水やコンクリートで遮ることができます。放射性物質は、時間の経過とともに放射能が減少していきます。一定の時間が経過すると半分になり、さらに同じ時間が経過すると、そのまた半分になります。この放射能が半分になる時間を「半減期」といいます。 放射線を身体に受けると遺伝子(DNA)が傷つき、障害を発生させる可能性があります。しかしDNAには修復能力があるので、完全に修復させられれば何の問題もありません。細胞が死んでしまった場合でも、その場所が臓器であれば正常細胞に置き換えられていくので、大きな障害は起こりません。ただ、大量に細胞が死んでしまった場合には臓器そのものが死んでしまうことがあります。体に当たったときの痛みが壁に当たったときの衝撃がGy放射線ってなに?➡ 光線Gy(グレイ)とSv(シーベルト)の違い〜野球で例えると〜被ばくの種類DNAの損傷と修復“医療被ばく”について
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