令和6年度 イムス札幌消化器中央総合 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 20 78 124 224 401 577 926 878 287
※令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者であり、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者数、保険外(労災、自賠など)の患者数を除く

<解説>
令和6年度の年齢階級別退院患者数の内訳として、高齢化社会に伴い最も多い年齢層は70歳代で、次いで80歳代と続き、70歳以上の患者数は全体の約6割を占めており、高齢者医療の需要が多くなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 205 10.00 8.88 6.34% 75.83
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 162 3.12 2.57 1.23% 69.74
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 101 6.76 7.60 2.97% 64.78
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 95 3.93 7.91 3.16% 67.8
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 93 6.47 5.55 5.38% 55.34
※消化器内科でのDPC症例上位5位
※DPCとは包括診断群分類であり、14桁のコードで構成されており、入院中の疾患や手術・処置の有無などによって決定される

<解説>
当科では、消化器(膵臓、胆のう、膵管、胆管、肝臓、食道、胃、小腸、大腸など)に対する内視鏡やカテーテルを駆使した低侵襲な診断・治療を軸としています。令和6年度は胆管結石に対する治療が最も多く、大腸ポリープ、憩室性疾患、結腸の悪性腫瘍、ウイルス性腸炎と続いており、様々な消化器疾患に対応しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 84 6.85 4.54 2.38% 68.04
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 65 4.86 5.32 0% 43.08
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 63 10.32 7.05 0% 59.92
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 28 7.68 5.99 0% 65.11
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 27 22.81 14.81 3.7% 68.19
※外科でのDPC症例上位5位
※DPCとは包括診断群分類であり、14桁のコードで構成されており、入院中の疾患や手術・処置の有無などによって決定される

<解説>
当科では、鼠径ヘルニアの症例が最も多く、次いで、虫垂炎、胆嚢炎や胆嚢結石などの胆嚢疾患、大腸癌となっています。その他にも胃癌、肝臓癌、膵臓癌などの消化器悪性疾患に対し、腹腔鏡を中心とした低侵襲な手術を安全かつ確実に行っています。病気の進行度や全身の状態を十分に評価したうえで、腹腔鏡を使用した手術か、開腹による手術かを慎重に検討し選択しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 31 45.0 19.16 32.26% 83.94
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 11 45.82 25.29 81.82% 87.27
070343xx99x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2なし - - 13.32 - -
070510xx99xxxx 痛風、関節の障害(その他) 手術なし - - 12.02 - -
160720xx99xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 手術なし - - 15.46 - -
※整形外科でのDPC症例上位5位
※DPCとは包括診断群分類であり、14桁のコードで構成されており、入院中の疾患や手術・処置の有無などによって決定される
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
当科では、胸椎・腰椎圧迫骨折に対する治療が最も多く、次いで、股関節・大腿近位の骨折に対する治療となっています。どちらの症例も平均年齢は80歳以上となっており、高齢者に対する治療が多くなっています。当院では急性期治療を行った後も、患者様が安心して日常生活に復帰出来るように、継続したリハビリを目的に他の医療機関へ紹介させていただき、転院となる場合もあります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病なし 31 2.9 5.16 0% 51.45
11013xxx02xxxx 下部尿路疾患 尿道狭窄内視鏡手術等 - - 5.49 - -
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 - - 4.07 - -
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり - - 2.45 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.66 - -
※泌尿器科でのDPC症例上位5位
※DPCとは包括診断群分類であり、14桁のコードで構成されており、入院中の疾患や手術・処置の有無などによって決定される
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
当科では、尿管結石などに対する除去術が最も多い症例となっています。経尿道的内視鏡手術による低侵襲な手術により、体に負担が少ない治療を行っています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 21 26.76 16.4 0% 83.76
040110xxxx00xx 間質性肺炎 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 15 23.2 18.68 6.67% 77.27
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 11 18.09 20.78 0% 79.91
040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎 手術あり 手術・処置等2なし 10 76.5 35.71 60.0% 88.5
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 12.95 - -
※呼吸器内科でのDPC症例上位5位
※DPCとは包括診断群分類であり、14桁のコードで構成されており、入院中の疾患や手術・処置の有無などによって決定される
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
当科では、肺炎や肺癌、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、気胸などの呼吸器に関する疾患全般の診療を行っています。令和6年度は肺炎関連の疾患が多く、平均年齢が70~80歳代と、高齢者に対する治療が多くなっています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-2あり 手術・処置等2なし 77 3.22 3.27 1.3% 70.13
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 - - 17.33 - -
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし - - 3.07 - -
050130xx9900x1 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院 - - 20.85 - -
- - - - - - -
※循環器内科でのDPC症例上位5位
※DPCとは包括診断群分類であり、14桁のコードで構成されており、入院中の疾患や手術・処置の有無などによって決定される
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
当科では、不安定狭心症などの急性冠症候群に対する心臓カテーテル検査を目的とした入院が最も多くなっています。高齢化社会が進むにつれて心臓病や高血圧症にかかる方は年々増えており、心不全や不整脈などの循環器に関する疾患全般に対して診療を行っています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 25 37.72 11.35 20.0% 75.72
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 13.5 - -
110280xx97x01x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病あり - - 27.42 - -
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2-1あり - - 33.81 - -
110280xx97x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2-1あり - - 25.7 - -
※腎臓内科でのDPC症例上位5位
※DPCとは包括診断群分類であり、14桁のコードで構成されており、入院中の疾患や手術・処置の有無などによって決定される
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
当科では、慢性腎不全などにより透析治療が必要な場合や透析に伴う合併症による入院が最も多くなっています。合併症に関しては、関連する診療科と連携して治療を行っています。その他にも蛋白尿の精査や慢性腎炎、急性腎不全、透析治療の導入に関わる診療を行っています。
糖尿内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2-1あり 13 30.54 13.77 7.69% 69.15
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし - - 10.46 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
※糖尿内科でのDPC症例上位5位
※DPCとは包括診断群分類であり、14桁のコードで構成されており、入院中の疾患や手術・処置の有無などによって決定される
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
当科では、2型糖尿病に対する血糖管理のための教育入院が最も多くなっており、食事療法、運動療法を基本に、薬物療法、インスリン療法を行っています。また、必要に応じて他科との連携を図り、糖尿病に合併する病気の診断、治療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 16 - 19 42 16 - 1 8
大腸癌 11 36 96 59 26 56 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - 13 - - 1 8
肝癌 - - 27 - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※令和6年度退院患者のうち、初発の5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)について、UICCのTNMから示される病期分類別による延患者数
※同一の患者が入退院を繰り返した場合でも入退院毎に1件とする
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
昨年度に引き続き、大腸癌、胃癌の件数が多くなっています。
早期の大腸癌や胃癌などに対しては、内視鏡下での切除など低侵襲な治療を行っており、進行した癌に対しては外科手術を行うなど、患者様の病状に合わせた治療を行っています。また、抗がん剤治療などを目的として入退院を繰り返し行うこともあり、大腸癌のStageⅢ~Ⅳ及び、再発患者数が多くなっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 9.6 56.9
中等症 51 41.33 75.63
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
※令和6年度退院患者のうち、肺炎症例(ICD10コードがJ13~J18$)の重症度別患者数
※ICD…世界保健機関(WHO)が作成した疾病及び国連保険問題の国際統計分類
※重症度分類はA-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で評価
  Age(年齢)・・・男性70歳以上、女性75歳以上
  Dehydration(脱水)・・・BUN21mg/dl以上または脱水あり
  Respiration・・・SpO2<=90%(PaO2 60Torr 以下)
  Orientation・・・意識障害あり
  Pressure(収縮期血圧)・・・収縮期血圧90mmHg以下
  各項目該当すれば1点、計5点満点で分類する

  上記5つの項目いずれも満たさない:軽症
  上記5つの項目で1~2つを有する:中等症
  上記5つの項目で3つを有する :重症
  上記5つの項目で4~5つを有する:超重症

※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
中等症が半数以上を占めています。
重症度が上がるにつれて、平均年齢も上がっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- - - - -
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 177 1.95 2.28 3.39% 70.51
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 172 2.06 13.7 5.23% 76.13
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 48 2.19 7.73 12.5% 75.54
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 47 1.74 7.7 0% 72.62
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 46 9.35 11.85 76.09% 78.33
※消化器内科で行われた、Kコード別手術件数上位5件
※Kコード・・・医科点数表で定められた手術コード

<解説>
当科で行われる手術の多くは内視鏡を用いた手術です。
その中でも最も多いのは大腸ポリープ切除術となっています。内視鏡を用いてポリープを切除する治療方法で、入院期間も短期間となっています。
2番目に多い手術は、内視鏡的胆道ステント留置術となっています。結石や癌等により狭窄し、胆汁の流れが悪くなった箇所にステントを設置し、黄疸や炎症を軽減させます。
3番目は、内視鏡的乳頭切開術となっています。内視鏡を用いてドレナージチューブを十二指腸まで挿入し、切開用ナイフ(パピロトーム)で胆管の出口(乳頭括約筋)を切開して広げることにより、胆汁の流出を促します。
4番目は、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置となっています。癌疾患の患者様に対して、化学療法による治療の開始に伴い、抗悪性腫瘍剤の局所持続注入や疼痛の制御を目的として、体内に専用のカテーテルを植込みます。
5番目は、胃瘻造設術となっています。口から食事ができなくなった患者様や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい患者様に対して、体の外から直接胃の中へ栄養剤を流し込む為、お腹に穴をあけます。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 117 5.1 7.59 0.85% 62.64
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 81 1.41 4.28 1.23% 67.63
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 64 0.44 3.41 0% 43.48
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 31 5.35 21.9 3.23% 69.23
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 25 0.56 6.28 0% 48.28
※外科で行われた、Kコード別手術件数上位5件
※Kコード・・・医科点数表で定められた手術コード

<解説>
当院では、患者様の身体への負担が少ない低侵襲で早期退院が見込める腹腔鏡による手術を推奨しています。
当科で最も多く行われた手術は、腹腔鏡下胆嚢摘出術となっています。胆石症や胆のう炎の治療を目的として、腹腔鏡を用いて胆のうを切除し、臍部の小さな傷から摘出します。
2番目に多い手術は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術となっています。腹腔鏡で施行することにより、ヘルニア発生部位が2ヵ所でも同時に治療ができ、小さなヘルニアの見落としが少なくなります。
3番目は、腹腔鏡下虫垂切除術となっています。救急搬送され、緊急手術となることが多く、術前日数は平均1日未満となっています。
4番目は、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術となっています。大腸癌に対する治療の為、消化器内科と協力して治療を行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 31 0.94 0.97 0% 51.45
K783 経尿道的尿管狭窄拡張術 - - - - -
K821 尿道狭窄内視鏡手術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
- - - - - - -
※泌尿器科で行われた、Kコード別手術件数上位5件
※Kコード・・・医科点数表で定められた手術コード
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
当科で最も多く行われた手術は、尿路結石除去術となっています。
尿路結石や腎結石に対して内視鏡で確認をしながらレーザーで結石を破砕し、除去を行います。その他にも、狭窄の拡張術や腫瘍摘出術、尿管ステント留置術などの手術を行っています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 26 51.04 85.62 46.15% 85.12
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K7162 小腸切除術(その他) - - - - -
※呼吸器内科で行われた、Kコード別手術件数上位5件
※Kコード・・・医科点数表で定められた手術コード
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
当科では肺炎治療等により入院加療が長期となっています。
また、急性期での治療を終え、加療の継続を目的として慢性期の病院へ転院される患者様もいらっしゃいます。
当科で最も多く行われた手術は、中心静脈注射用植込型カテーテル設置となっています。口から食事ができなくなった患者様や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい患者様に対して、高カロリーの栄養液を注入する為、中心静脈へカテーテルを挿入します。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 19 0.56%
異なる - -
※播種性血管内凝固症候群(DPC6桁:130100)、敗血症(DPC6桁:180010)、その他の真菌感染症(DPC6桁:180035)、手術・処置等の合併症(DPC6桁:180040)の各症例患者数と発生率を示す
※10症例に満たない場合は、「-」で表示

<解説>
手術・処置等の合併症には、術後出血や植込型カテーテルポートによる感染が含まれており、治療を行っています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
367 341 92.92%
※令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者であり、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者、臓器移植の患者を除く
※リスクレベルが「中」以上の手術は、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン2017年改訂版」(日本循環器学会等)に準じて抽出

<解説>
静脈血栓症は致命的になる疾患です。癌や腹膜炎などのお腹の治療を受けていても、血栓が肺に移動することによっておこる肺塞栓症によって息が苦しくなってしまうことがあります。
静脈血栓症はとくにがん患者様に発生することが多いとされており、肺塞栓症を発症してしまうと致死率が高くなる為、予防が最も重要となります。
現在、血栓症の予防のために最も使用されているのが弾性ストッキングになりますが、取り扱いを間違うと予防の効果が少なくなるばかりか、皮膚障害も起こしてしまうので、専門の知識と指導が必要となります。
当院では2018年より専門の部署を発足し、専門の知識を有する弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの資格をもつ医師・看護師複数名を中心に対策を行っており、2週ごとのベッドサイド訪問に加えて、毎月ミーティングを実施し、患者様の予防対策の確認をしております。
また、日本静脈学会総会へ対策部署の職員が毎年複数の演題について発表を行っており、最新の情報や血栓対策の問題点の情報交換を行い、当院へ入院された患者様へ血栓症リスクの評価を行うことで、血栓症の対策を行っています。
当院では血栓症の対策は重要な項目であると考え、常に情熱をもって取り組んでおります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
626 424 67.73%
※令和6年6月1日から令和7年5月31日に細菌培養同定検査(血液)を実施した患者について、1患者1日毎に実施された日数を分母、同一日に2セット以上採取している患者の合計数を分子として、実施率を抽出

<解説>
当院では、消化管炎症疾患の患者様が多く、敗血症となる症例での原因菌特定の為に、血液培養検査を行っています。
原因菌の検出率を高める為に、2セット提出の実施を基本としています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
361 179 49.58%
※令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者であり、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者、臓器移植の患者を除く
※令和6年6月1日から令和7年5月31日において、広域スペクトルの抗菌薬が投与された退院患者数を分母、分母のうち、当該入院日~抗菌薬投与日までの期間に、細菌培養同定検査の算定があった患者数を分子として、実施率を抽出

<解説>
当院では「抗菌薬適正使用支援チーム(AST)」が発足されており、医師、看護師、薬剤師、検査技師を中心として、患者様へ適切に抗菌薬を使用することを支援し、感染症の治療効果を高めるとともに、耐性菌の発生を抑制することを目的とし活動しています。
抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、この指標は広域抗菌薬使用前の適切な培養検査の実施率を示しています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
47,307 144 3.04
※令和6年6月1日以降に入院し、令和6年6月1日から令和7年5月31日までの期間に退院し、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者、臓器移植の患者を除く
※上記期間において、退院患者の在院日数の総和を分母、退院患者に発生した転倒・転落件数を分子として、発生率を抽出
※「‰(パーミル)=1000分の1」の単位で算出

<解説>
転倒転落により骨折などが発生した場合、患者さんのQOL(生活の質)の低下をきたし、結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります。また、職員が予防に全力を尽くしても、転倒転落を引き起こす原因を多く持つ患者さんにおいては、予防が困難な場合があります。
しかし、防止の為の施設環境整備、職員の発生防止の知識習得、万一転倒した場合にも外傷が軽く済むような工夫など、最小限の外傷で済むよう予防的策を講じて取り組んでいます。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
- - -
※令和6年6月1日以降に入院し、令和6年6月1日から令和7年5月31日までの期間に退院し、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者、臓器移植の患者を除く
※上記期間において、退院患者の在院日数の総和を分母、退院患者に発生したインシデント影響度分類レベ3b以上の転倒・転落の発生件数を分子として発生率を抽出
※「‰(パーミル)=1000分の1」の単位で算出
※同一患者が複数回転倒した場合は個別に集計
※同一患者における同一転倒・転落に対し複数のインシデント・アクシデント報告が提出された場合は1件とする
※「-」は、10件未満であり、良好な結果である

<解説>
患者様が転倒・転落に⾄る原因は、⼊院そのものがもたらす環境の変化や疾病・治療・⼿術の影響によるものなどさまざまです。インシデント影響度分類レベル3b以上とは損傷レベルの⾼いもの(⼿術や⼤きな処置を必要とするもの)を指します。当院では医療安全管理委員が中心となって、発生リスクの低減を図っています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
582 582 100%
※令和6年6月1日以降に入院し、令和6年6月1日から令和7年5月31日までの期間に退院し、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者、臓器移植の患者を除く
※上記期間において、全身麻酔手術で、予防的抗菌薬投与が実施された手術件数を分母、分母のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数を分子として、投与率を抽出
※全身麻酔手術とは、当該手術実施時に使用していた麻酔の種類が以下2つのいずれかを含むものを指す(硬膜外麻酔を併用した場合を含む)
 ・開放点滴式全身麻酔
 ・マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔

<解説>
当院の手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率は100%となっており、術後の感染予防の観点から、適切なタイミングでの抗菌薬投与を行うことで、安全で質の高い周術期管理に努めています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
46,355 13 0.03%
※令和6年6月1日以降に入院し、令和6年6月1日から令和7年5月31日までの期間に退院し、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者、臓器移植の患者を除く
※上記期間において、退院患者の在院日数の総和を分母、褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡)の発生患者数を分子として発生率を抽出
※分母 除外条件
 ・同一の日に入院及び退院した患者
 ・入院時既に褥瘡(d1,d2,D3,D4,D5,DTI,U)のいずれかの褥瘡保有が記録されていた患者

<解説>
褥瘡とは、一般的に「床ずれ」と言われており、寝たきりの状態などで体重により圧迫されている部位の血の流れが滞り、皮膚の一部が赤い色味を帯びたり、ただれたり、傷ができてしまうことを指します。重篤な褥瘡になると筋肉や骨まで及ぶこともあります。
この指標は、患者様の皮膚の保護に際し看護の質を示す重要な項目となっており、当院のd2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率は0.03%でした。
褥瘡は、患者様のQOL(生活の質)の低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶこともあり、結果的に入院日数の長期化や医療費の増大にも繋がるため、今後も多職種による連携を通じて、褥瘡の早期発見に尽力し、患者様の皮膚状態の維持に努めて参ります。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
2,309 2,271 98.35%
※令和6年6月1日以降に入院し、令和6年6月1日から令和7年5月31日までの期間に退院し、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者、臓器移植の患者を除く
※上記期間において、65歳以上の退院患者数を分母、分母のうち、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数を分子として実施割合を抽出

<解説>
当院は65歳以上の入院早期の栄養アセスメント実施割合が98.35%と高い割合となっております。栄養状態の把握は治療の効果や合併症の予防において非常に重要であり、多職種が連携し早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで予後の改善に繋がります。今後も対象となる患者様に対して確実に栄養状態を評価し、より質の高い栄養管理に努めて参ります。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
47,307 1,268 2.68%
※令和6年6月1日以降に入院し、令和6年6月1日から令和7年5月31日までの期間に退院し、一般病棟に1回以上入院した患者が対象
※24時間以内の死亡患者、臓器移植の患者を除く
※※上記期間において、退院患者の在院日数の総和を分母、分母のうち、身体的拘束日数の総和を分子として実施率を抽出
※同一日に複数回の身体的拘束及び解除が繰り返されても、1日とする

<解説>
身体的拘束とは、抑制帯等、患者様の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者様の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいい、早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。当院では身体拘束は患者様の尊厳を損なう可能性や身体・精神への影響が懸念されるため、不適切な身体拘束は行わないことを心がけております。
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