【対談】IMSグループの求める医師像について

中村 哲也(IMSグループ 理事長)× 新見 能成(板橋中央総合病院 院長 ) / 進行:針生 恭一

国内有数の病院グループとして、IMSグループは、いま、どんな使命をもち、どんな方向に進もうとしているのでしょうか。そして、その実現のために必要な医師とは、どんな資質や人間性をもった人々なのでしょうか。IMSグループの中村理事長と、グループの中核病院である板橋中央総合病院の新見院長がさまざまに語り合いました。

創立時から変わらぬ『地域医療』というテーマ

━ まずは、現在のIMSグループの課題について、お話しいただけますか?

【中村】
大きくは2つあります。一つは、グループ創立時からの『地域医療』というテーマ、もう一つは、変化する医療システムの中で、それに最適の体制を確立していくということです。

━ 基本理念でも『愛し愛されるIMS』という言葉を掲げ、地域と密着した医療を提供することを使命としていますね。

【中村】
はい。いちばん大事なことは、「その地域で完結する医療」であることです。たとえば、急性期・回復期・慢性期という治療のプロセスの中で、患者さんは転院を余儀なくされることが多いのですが、地元から遠くに転院しなければならないとしたら、それは大きなストレスですよね。ご家族にとっても、精神的・経済的に大きな負担となりますが、私どもでは複数の病院を一つのユニットのようにしてもっていますので、地元の転院先を患者さんに提案することができるわけです。
【新見】
多くの場合、転院時には病院探しという難関がありますが、IMSグループならそれも必要ない。IMSグループは1956年に誕生し、以来、60年近くにわたって拡大成長路線をとってきましたが、現在もその延長線上にあるといっていいと思います。拡大することのメリットはさまざまにありますが、その一つはやはりグループ内の医療連携ということでしょう。さまざまな医療・介護施設が連携して、一人の患者さんを継続して診ていくことや、人材の育成を行っていくことができます。つまり、拡大そのものが目標なのではなくて、どれだけ患者さんに役立つ医療を提供していけるかが大事なポイントです。

最新医療システムには、コミュニケーションとチーム医療が不可欠

━ 医療システムについて、急性期・回復期・慢性期と病院が分割された中で、その垣根を取り払いたいと理事長はよくおっしゃっていますね。

【中村】
急性期・回復期・慢性期というのは医療側の都合であって、患者さんにとって、そんな切れ目は存在しないと思うんです。

━ しかし、現実として、病院が変わり、主治医もバトンタッチしたりする‥‥。

【中村】
その移行をできるだけスムーズにするような体制を作ることが私たちの義務だと思います。たとえば、情報交換の場というのはぜったい必要でしょう。IMSグループでは地域連携懇親会というのを定期的に開催し、医者どうしが患者さんについての情報交換を行う場としていますが、今後はさらに優れたスキームが必要になると思います。
【新見】
いままで以上にチーム医療も重要になっていますね。一人の患者さんに、いろいろな職種の人間が関わっていくのがいまの医療です。医者も自分一人で抱えるのではなく、リハビリの先生、慢性期の先生、また、コメディカルのスタッフなどと、積極的に情報交換しようという姿勢がとてもたいせつですね。

医療の質とスピードを上げるための新しいスキームも確立したい

━ 先ほどのお話に出たスキームとは、どんなイメージですか?

【中村】
グループ内の病院の連携に関することです。最近、医療システムについて思うのが、いま、“急性期”といわれている病院が、いずれ、“より急な治療に対応する病院”、“より複雑な治療に対応する病院”、“より効率性を求める病院”に分かれていくのではないかということです。私どもの板橋中央総合病院、高島平中央総合病院、イムス板橋リハビリテーション病院の3つだけ見ても、これまでとは役割が変わってくるかもしれませんよね。そうなると、グループ内の病院を取りまとめる中央司令室のようなものも必要になると思うんです。

━ 板橋中央総合病院、高島平中央総合病院では救急外来も行っていて、救急車を「断らない医療」をグループとして大事にしています。

【中村】
ベッドを探さなければいけないというときも、中央司令室がそれぞれの病院の情報をもっていれば、どちらの病院に行けばいいという指示が的確に出せますね。もっと具体的に言えば、「頭部外傷を負った患者さんがいる」というときは、「脳外科医ほか複数の専門科医のいる板橋中央総合病院がいいだろう」という判断になるのかもしれません。「板橋中央総合病院の内科の診察室3番にこういう患者さんがいて、入院が必要だ」というようなときは、「医療ステージは1〜5に分けるといくつ?」、「2ぐらい」というようなやりとりを経て、「それでは、高島平総合病院の西館の何号室へ」ということになるのかもしれません。
【新見】
救急にかぎらず、専門科・専門病院についても、中央司令室に情報が集まったら、医療の質もスピードもますます上げることができそうですね。
【中村】
そのためには、それぞれの医師が自分のもっている情報を公開して、みんなで共有するという仕組みも大事ですね。セクショナリズムにこだわると、できることもできなくなってしまいますから。

各世代の医師に期待することは‥‥

━ グループではこれからさらに多くの医師を迎えたいと思っているわけですが、まず、研修医のみなさんには、どのような研修環境を提供していきたいと考えていますか?

【新見】
板橋中央総合病院の場合は、総合病院として、基礎的なことがひととおりできるようなプログラムを組んでいます。その後、より専門性を求めるということであれば、グループ内の専門病院などで学べるよう積極的に支援したいですね。

━ 初期研修では、新しい試みを始めたとも聞いています。

【新見】
はい。最近は、私どもの病院で初期研修を修了して、現在は専門医となっている医師が何人も出てきているんです。そこで、初期研修の企画立案から評価までを、彼らに中心になって行ってもらうということをスタートしました。現在のシステムの初期研修を受けてきた世代ですから、これからいいものが生まれてくるだろうと期待しているんですよ。

━ 一方、すでに医師としてのキャリアを積んでいる若手・中堅の医師についてはいかがでしょうか。

【新見】
そうした方々を迎え入れることは、グループ外の知識や技術に触れる機会にもなりますから、とても意義深いですね。グループ内の医師たちといい意味で切磋琢磨していただきながら、それぞれの担当、ポストなどを配慮していきたいと思います。

━ さらに、指導医クラスの医師に入職していただくこともあると思いますが。

【中村】
医師としてのキャリアを積んだみなさんに、新たに私どもの病院を選んでいただくのはとても光栄なことです。大事なのは、『地域医療』という私どもIMSグループの理念、また、配属先の病院の理念を共有していただくことです。とくに指導医クラスのみなさんには、日常的な医療でそれを実践していただいたうえで、若手にも教育・指導していただかなければなりませんからね。共通の目的をもちながら、ご自身が培ってきたものを十二分に生かし、これからのIMSグループを支えていただきたいですね。そんなみなさんには、将来、グループ内の病院の院長にも、ぜひなっていただきたいと考えています。

施設・研修に多彩な選択肢があるのはグループならではの強み

【新見】
多彩な病院・施設がありますので、グループ内ではさまざまな勤務の形や研修も実現していますね。
【中村】
そうですね。たとえば、初期研修ではどうしても急性期医療が中心になりますが、それだけでは病状にばかり目がいき、よりグローバルな視点からの全人的な医療が施せなくなりがちです。そこで、慢性期の病院などを訪れて、自分の診た患者さんがどのようにして回復していくのかといったことを知ることもたいせつです。グループ内には慢性期やリハビリの病院もありますから、医師としての総合力をつけるための勉強もできるでしょう。
【新見】
数多くあるということは、配属された施設が合わなかったときに、別の場所に移るという選択肢があるということでもあります。そこは、医師人事部にも柔軟に対応する資質があります。

━ グループ内には、横浜新都市脳神経外科病院、イムス葛飾ハートセンター、東京腎泌尿器センター大和病院という非常に専門性の高い病院もありますね。

【中村】
はい。専門病院を作った理由の一つは、専門医を育てるという使命を果たすためです。また、これらの専門病院以外でも、他病院や国公立大学などに勉強に行きたいという希望があれば、積極的に推薦しています。しかし、そこで学んだらIMSグループにぜひ戻ってきてほしいですね。その知識や技術を、私たちの地域のみなさんに還元してほしいわけです。
【新見】
ちなみに、専門病院の専門医をめざすのも一つの道ですが、グループ内では専門医療と総合診療のつなぎ役ができるドクターもどんどん出てきてほしいと考えています。

━ グループ独自の研修も企画・実施していますが。

【中村】
多くの病院があり、各分野の専門家の医師がそろっていますから、グループ内でもさまざまな知識、専門技術を学ぶ機会があります。先日は『腹腔鏡下手術手技研究会』という腹腔鏡下手術の研修を行い、グループ内の20名を超える先生方に出席いただきました。勤務先の病院には指導医がいなかったとしても、こういう場で個人のスキルとして、鏡視科手術のスキルアップや技術認定医などの資格を取得することも可能です。平時の医療ももちろん大事ですが、医師であるからには、科学者でもある、研究者でもあるという視点も忘れてほしくないんですね。そのためには革新的なテーマやよりメンタル面にも踏み込んだようなプログラムを組んでいきたいと思っています。

━ 新見院長も独自のセミナーを主催していらっしゃるとか‥‥?

【新見】
私は麻酔科なんですが、TTIセミナーというものを開催しました。TTIは東大・帝京大・板橋中央総合病院の略でして、それぞれの大学の教授と私が若手医師を1〜2名連れて集まって、意見交換をする場です。これがとても好評で、若手にとっては、きっと、10年後に役立つだろうなと思っているんです。

信頼関係の中で、人が人をつくる、そんな環境を大事にしていきたい。

━ IMSグループのよいところとは、なんだと思いますか?

【中村】
そうですね、グループがこれだけ長い間にわたって成長してこられたのは、IMSグループの医療が社会に受け入れられてきた結果ではないかと自負しています。その基盤になっているのが、健全経営を大切にしてきたこと、『愛し愛されるIMS』であるために、地域を大事にしてきたことだと思います。これがそのままIMSグループのよさといえるのではないでしょうか。また、先代からの、職員を家族だと思って大切にするというポリシーも懸命に守ってきました。

━ 中村理事長は研修医のみなさんと親しいと聞いています。

【中村】
昔から、「100回の会議より、1回のバカ騒ぎ」と思っていまして(笑)。医者はいろいろな人がいるということを知るべきだし、もちろん社会性も必要です。そこで、社会勉強の手伝いになればと、都合のつくときはアフター5の時間をともに過ごすようにしているんです。
【新見】
なるほど、見ていると、研修医たちのガス抜きにもなっているようです。直接、指導するわれわれじゃダメなんでしょうね(笑)。私は、研修医を見ることは、グループの明日を見ることだと思っているんです。将来のグループの中心となる人たちですから、グループで育てていくことが大事ですね。

━ やはり、たいせつなのは「人」。

【新見】
ええ。教育の現場では、チュートリアル制をどんどん採用していきたいですね。先輩たちがチューターとなり、新入りの研修医を見ていくというものですが、水泳の北島選手のコーチが北島選手を育てたように、信頼関係を通し、人が人を育てるというのは大事なことだと思うんです。
【中村】
一人ひとりが自分のめざす医師像にスムーズに向かっていけるよう、私たちも懸命に応援していきたいですね。そうして、地域が、いや、日本全体が力強くなることに貢献できるような病院グループであり続けたいと思っています。

━ 私たちの理念に共感いただけるみなさんと、ぜひ、いっしょに仕事をしたいですね。本日はありがとうございました。

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