重要なお知らせ

Holmium laser を用いた手術

泌尿器科領域においてHolmium laserというレーザーを用いた手術が近年脚光を浴びています。具体的には「前立腺肥大症の手術」と「尿路結石の手術があります。」

前立腺肥大症の手術

HoLEP:経尿道的前立腺レーザー核手術

前立腺肥大症とは高齢男性であれば皆さん、ほぼ必発と言える疾患であり、排尿困難、残尿感、切迫感、尿失禁といった下部尿路症状を呈します。肥大に対しての治療法としては様々な薬を用いた薬物治療がありますが、どの薬物治療も根本治療ではなく、症状を軽減するためのものです。したがって非常に大きく肥大してしまった方などで、薬では不十分あるいは近い将来薬の効果が悪くなってしまう方は多く存在しており、このような方々には外科的治療、すなわち手術治療がよい適応となります。

手術治療の中で40~50年くらい前から存在しているTUR-P(経尿道的前立腺切除術)があります。これは昔から現在まで最も世界中で行われている、肥大した前立腺に対して電気メスを用いて切除する治療法です。そのTUR-Pに対する比較的新しい治療法としてHoLEPがあります。

HoLEPの特長

1998年にニュージーランドで開発された手術ですが、レーザーを用いて肥大した前立腺を切除していき、出血が少なく安全性に優れていると言えます。加えて根本的に腫大した部分をきれいに核出するため、治療効果も非常に高く、現時点で世界中に存在する方法として最も優れた治療法といえます。

このHoLEPを当院で開始いたします。術式がやや困難で世界的に普及が鈍いのですが、関東中央病院(世田谷区)、東京腎泌尿器センター大和病院(板橋区)にて多くの患者さんに手術を提供して参りました術者の赴任及びレーザーの導入に伴いこのたび開始可能となりました。東葛地域の総合病院では積極的に施行している施設はなく、この地域の方々を中心に遠方の方々も含めて、良い手術を提供して参りたいと考えております。

HoLEPの手術模式図

尿路(腎尿管)結石の手術治療

URS:経尿道的腎尿管結石破砕術

腎尿管結石の手術治療法としてESWL(対外衝撃波結石破砕術)という治療法が安全で効果的ということから30年ほど前から手術治療法として盛んに施行されるようになっておりました。

それに対してホルミウムレーザーの普及により、腎及び尿管結石に対して軟性尿管鏡と硬性尿管鏡にレーザーを使用してのURS(経尿道的腎尿管結石破砕術、日本ではTULとも言われています)が近年目覚ましい発展を遂げています。これは尿道から内視鏡を挿入して腎及び尿管内の結石を直接確認し、レーザーファイバーを挿入してレーザーを用いて結石を砕石します。さらに細かくなった破片をきれいにバスケット鉗子で抽出するため、石を砕くだけでなく、その場で破片をきれいにとってしまうという大きなメリットがあります(ESWLは砕くのみで、破片は自然排出待ちとなります)。

効果はもちろんのこと安全性も認められており、ヨーロッパ諸国ではすでにESWLからその立場を変わりつつあるといった優れた手術方法です。この手術も前述したHoLEPと同様に、当院にて開始いたします。東葛地域ではESWLを施行される施設はあるものの、レーザーを用いたURSを施行する施設はほとんど認められていないため、多くの患者さんに提供して参りたいと考えております。

泌尿器科