腎臓内科プログラム
研修責任者:中村 司 (副院長)
医学博士 腎臓専門医・指導医/アフェレシス専門医/認定内科医、佐賀大・順天堂大・獨協医科大学・聖マリアンナ大学 非常勤講師
研修期間
4~5年
目的
後期臨床研修医は、質の高い医療ができ、患者から信頼される臨床医をめざすために、腎臓内科学だけでなく、泌尿器科疾患を含めた腎臓病学全体の総合的な理解を目標としています。
またあらゆる疾患(敗血症性ショック、多臓器不全、激症肝炎、薬物中毒など)に対する血液浄化療法(エンドトキシン吸着療法、CHDF、LDLアフェレシス、白血球除去療法など)の知識および習得を目標にしています。
臨床と直結した腎臓病理の見方も理解し臨床に応用する(研修指導の中村は獨協医科大学越谷病院講師も兼任)。腎臓専門医の資格を習得するとともに学会発表、論文作成も積極的にtryしていただきたい。
到達目標
- 腎疾患の検査、診断、治療
腎生検(腎臓内科と泌尿器科医師合同、興味のある研修医は前立腺生検などの助手可能)、尿所見の見方、画像診断、血管造影(腎臓内科、泌尿器科、肝臓内科合同)などの手技を学ぶ。腎炎を診断し治療法の選択を学ぶ。 特に腎生検の標本を光顕、免疫染色、電顕をみながら診断し治療を学ぶ。
(獨協医科大学越谷病院 病理診断科 上田善彦教授指導)(興味のある研修医は標本の切片作りも学ぶことも可) - 腎不全患者の治療
急性腎不全の診断、治療、また慢性透析患者の全身管理、合併症の治療を学ぶ(総数約90名)。透析のプライミング、穿刺、回収を学ぶ。
透析導入患者の管理、シャントオペや血管拡張術の助手、手技を取得すれば場合により術者としての能力を身につける。 - 血液浄化療法
先に述べたようにあらゆる疾患に対する種々血液浄化療法の施行、管理、治療の選択などを学ぶ。
当院は日本アフェレシス学会の認定施設のため多数の患者が送られてくるため、特にICUにおける急性血液浄化療法を施行する症例が多く、重症患者の全身管理を学ぶことが重要です。 特に敗血症性ショック患者に対するエンドトキシン吸着療法は日本を代表する施設であり、外国からの見学者や問い合わせも多数あり、急性血液浄化学会やアフェレシス学会などに多数のシンポジウムを含む演題を報告しています。
研修医も救急救命を腎臓内科研修医として学び学会報告にも参加していただきたい。
週間スケジュール
月曜日
- 午前:
- 透析室にて透析患者の管理、病棟にて腎臓疾患患者の管理
- 午後:
- 午前と同じ、病理標本の検討会
火曜日
- 午前:
- 透析室にて透析患者の管理、病棟にて入院患者の管理、腎臓内科外来の助手
- 午後:
- LDLアフェレシスを含む血液浄化療法
水曜日
- 午前:
- 透析室にて透析患者の管理、病棟にて入院患者の管理、ICUにて血液浄化療法患者の管理
- 午後:
- 午前と同じ、症例臨床検討会。病理組織検討会
木曜日
- 午前:
- 透析室にて透析患者の管理、病棟にて入院患者の管理。ICUにて血液浄化療法患者の管理
- 午後:
- 腎臓内科外来の助手、シャントオペ、PTA、腎生検
金曜日
- 午前:
- 透析室にて透析患者の管理、場合により獨協医科大学越谷病院にて腎組織標本作成助手、組織の検討
- 午後:
- 腎生検、シャントオペ、場合により泌尿器科オペ助手
土曜日
- 午前:
- 透析室にて透析患者の管理、病棟にて入院患者の管理、1週間の研修のまとめ
救急治療としての急性血液浄化療法施行患者の治療にはできるかぎり立ち会う。また、他科からの血液浄化の依頼(消化器内科、外科、整形外科、皮膚科、神経内科など)時もできるかぎり立ち会う。
総括
すべての項目が到達でき腎臓専門医が習得できるようにする。また、可能なら、アフェレシス認定専門医も習得できるようにする。学会発表、論文作成もできるようにする。 また、外国人医師による英語での臨床検討会、英語論文の読み方、作成方法を学ぶ。また、随時、他の内科との症例検討会にも参加し、内科全体の見方もあわせて学ぶ。