脳神経外科

日本脳卒中学会 一次脳卒中センター(PSC)コア施設

一次脳卒中センター(PSC)とは地域の医療機関や救急隊からの要請に対し、24時間365日体制で脳卒中や脳卒中を疑う患者を受け入れ、急性期脳卒中診療対応医師が患者搬送後可及的速やかに診療(t-PA靜注療法を含む)を開始できる施設として脳卒中学会から認定された施設です。
さらに一次脳卒中センターの中でも診療体制や実績をもとに常時機械的血栓回収療法を実施できる上位施設に対し一次脳卒中センター(PSC)コア施設として認定されます。
当院ではハイボリュームセンター基準の一つである“脳血管内治療専門医3名”による診療を実現しており、24時間365日体制で治療にあたっております。脳卒中専門の集中治療室(SCU)は12床あり、23区北西部および埼玉県南部の脳卒中診療において中心的役割をはたしていると自負しております。

高島平中央総合病院の脳神経外科では4人の脳外科専門医による最先端で高度な集学的治療を実践しております。無剃毛や最小限の手術創による低侵襲な治療を重要なテーマとして、患者様第一をポリシーと考えております。

まず脳腫瘍については、高度研究教育機関で長年神経膠腫の研究と臨床を続けてきた経験と世界で発表される最新エビデンスを組み合わせた集学的診療を行っております。具体的な対象疾患としては下垂体腫瘍髄膜腫聴神経腫瘍などの良性腫瘍から、神経膠腫中枢神経原発悪性リンパ腫転移性脳腫瘍を含む悪性腫瘍、および頭蓋底部腫瘍松果体腫瘍などの高難度脳腫瘍にまで及びます。手術は基本的に顕微鏡を使用しておりますが、下垂体腫瘍や一部の頭蓋底部腫瘍に対しては、神経内視鏡を使用して鼻腔内からアプローチすることで、当科のテーマである低侵襲な治療を実践しております。詳細に関しましては疾患説明の項目にて後述致します。

また脳血管障害については脳動脈瘤内頚動脈狭窄症/閉塞症モヤモヤ病急性期主幹動脈閉塞症頭蓋内動脈解離/閉塞症が対象疾患となります。当院では脳血管内治療と開頭術の選択が可能であります。近年は脳動脈瘤に対してはコイル術・クリッピング術両治療の選択が可能となっております。当院では脳血管内治療専門医3名を擁しており、高度な血管内治療も選択可能です。患者様に最善な治療方法をオーダーメイドに提案させて頂いております。他疾患について述べますと、内頚動脈狭窄症では、頸動脈ステント留置術(CAS)と頸動脈内膜剥離術(CEA)が治療方法として挙げられますが、狭窄部の解剖学的構造や患者様の状態に応じて最善な治療法を提示致します。モヤモヤ病頭蓋内動脈閉塞症に対しては、浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術(STA-MCA bypass)術による再発予防治療も積極的に行っております。昨今は血管内治療デバイスの発達により急性期主幹動脈閉塞症に対する経皮的血栓回収術が飛躍的に進歩しており、全国的に標準化されつつあります。発症から治療完了までの時間が最大の予後因子であり、当院では独自に作成した専用プロトコール(後述)を敷くことで、来院から治療開始までの時間を大幅に短縮することに成功しており、患者様の予後改善に寄与していると考えております。
くも膜下出血・脳出血・脳梗塞などの脳卒中の急性期治療については、SCU(stroke care unit) における管理が患者さんの予後を大きく改善させることが世界的に報告されております。当院では急性期脳卒中の患者様にはSCUにご入室頂き、専門の看護師、リハビリ師、栄養士など多職種による脳卒中チーム治療やリハビリは勿論、呼吸・循環・栄養・口腔ケアなど集学的に全身管理を実施しております。

各部門より患者さまへ

SCU 看護師 安藤

脳卒中急性期の重篤化回避に向けた看護ケアを行っています。患者さん、ご家族の生活再構築を考えた回復支援を他職種と協働し、常に患者さんの支援者として活動します。

医療ソーシャルワーカー(相談員)八木

「その方らしい」生活が実現できるよう、退院先や生活様式を共にご相談させて頂きます。患者様、家族様にとって入院は大きな転機になるかと思います。お困りごとがあれば気軽にご相談下さい。

地域医療連携室(事務)久保田

近隣医療機関と協力・連携し、脳卒中患者様が迅速に治療を受けられるよう、尽力いたします。また、広報やイベントを通して、脳卒中の予防と早期発見の重要性を皆様にお伝えすることも私共の役目です。

対象疾患

脳血管障害 脳梗塞脳出血くも膜下出血内頚動脈狭窄症・閉塞症頭蓋内動脈解離
脳動静脈奇形硬膜動静脈瘻
悪性脳腫瘍 悪性神経膠腫転移性脳腫瘍中枢神経原発悪性リンパ腫 など
良性脳腫瘍 髄膜腫神経鞘腫下垂体腫瘍、頭蓋底部腫瘍
頭部外傷 慢性硬膜下血腫頭蓋骨骨折外傷性頭蓋内出血脳挫傷
その他 顔面痙攣三叉神経痛水頭症

こんな症状ありませんか

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症状 疑われる疾患
頭痛 くも膜下出血脳出血頭蓋内動脈解離・ 脳腫瘍 など
めまい 小脳梗塞・脳腫瘍(特に聴神経腫瘍)の除外が必要です。
急な脱力・片側にかたむくふらつき 脳梗塞脳出血・ 脳腫瘍・慢性硬膜下血腫
しゃべりにくさ・言葉がでない 脳梗塞脳出血てんかん
急な腕や足全体のしびれ・異常感覚 脳梗塞の除外が必要です。
ざぁーざぁーという耳鳴り 硬膜動静脈瘻の除外が必要です。
物がふたつにみえる:複視 眼球運動神経(動眼神経・滑車神経・外転神経)近傍の動脈瘤・脳腫瘍
両目に及ぶ視野障害 下垂体腫瘍・側頭葉-頭頂葉-後頭葉の位置する脳腫瘍
半年以内の認知症進行 慢性硬膜下血腫正常圧水頭症の除外が必要です。
顔面にぴくつき・強い顔面の痛み 顔面痙攣三叉神経痛の除外が必要です。

脳卒中の相談について

脳卒中相談窓口

脳卒中相談窓口では、当院で脳卒中治療を受けられた患者さんが安心して療養できるよう、脳卒中に関するさまざまな悩みや問題を一緒に考え、療養の支援や情報提供をいたします。
ご相談内容については、プライバシーに十分配慮しております。

相談内容

  • 後遺症や介護について
  • 予防や治療について
  • 転院や退院後の生活について
  • 経済的・心理的・社会的な問題など

ご希望の方は、下記よりお問い合わせください。

お問い合わせ先

03-3936-7451(代表)

[受付時間]9:00~17:30(土曜は12:30まで)
「脳卒中相談窓口」に相談とお申しつけください。
〒175-0082 東京都板橋区高島平1-73-1
電話番号
03-3936-7451(代表)
FAX番号
03-3937-7314

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