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体に優しい「子宮内膜症」の治療と腹腔鏡手術

女性特有の疾患に専門の医療を提供する婦人科。
ただ「恥ずかしい・・・」と敷居を高く感じる患者さまも少なくありません。
東京腎泌尿器センター大和病院では、婦人科外来を女性専用フロアに設け
プライバシーを守っています。
近年増えている「子宮内膜症」の治療と腹腔鏡手術の詳細を森本千恵子医師に伺いました。

当院の森本千恵子医師がIMSグループ広報誌 「マイホスピタル」に掲載されました。

マイホスピタルは隔週にIMSグループ内で 発行されている広報誌です。
IMSグループ病院施設の最新情報や、 医療への取り組みをご紹介しております。

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重い月経痛を起こす「子宮内膜症」

ー近年、子宮内膜症が増えていると聞きました。
どのような病気なのでしょうか?

子宮内膜とは本来受精卵が着床するための組織です。 いわば子宮の中で赤ちゃんが育つベッドにあたります。毎月排卵に備え厚く増殖しますが、妊娠しないと不要になるため、剥がれて経血となり流れ出る。このターンオーバーが月経です。

ところが子宮内膜症では、子宮以外の臓器にこの内膜組織が生着してしまい、月経のリズムに合わせて増殖・剥離を繰り返すようになります。

ーどうしてそんなことが?

正確なメカニズムはわかっていませんが、経血が卵管を通って腹腔内に逆流することが一因といわれてます。普通、この逆流した経血は自然に吸収されるのですが、女性の5〜10%で内膜生着を引き起こすようです。月経の回数を重ねるほどリスクが高まりますから、患者さまの年代30〜40代が中心です。妊娠・授乳中は月経が停止しますが、現代は晩婚・少子化で、産まない選択をする方も多いため、子宮内膜症が増える原因とされています。

ー子宮内膜症といっても、子宮の中に起こる病気ではないのですね。どこで内膜組織が増えていくのですか?

一番多いのが卵巣の中です。毎月、少しずつ血液が溜まり茶色っぽくなるので「チョコレート嚢胞」と呼ばれます。あとは子宮と直腸のすき間(ダグラス窩)や子宮と膀胱の間、卵管の周辺など。 これらの内膜組織は剥がれても月経のように外に排出されませんから、そこに留まって炎症を起こし、周りの組織と癒着していきます。それにより臓器がひきつれたり、動きが制限されたりするため、月経時の思い下腹部痛や腰痛、排便痛、性交痛が主な症状です。
ごくまれですが、内膜組織が肺や膀胱の内部に発生し、月経時に血痰や血尿が見られるケースがあります。
いずれも命にかかわることはなく、良性疾患と位置づけられていますが、女性のQOLの低下を引き起こすことが多いです。

ー婦人科ではどんな検査を?

問診と内診、血液検査による腫瘍マーカー(CA125、CA199)の測定、超音波検査でスクリーニングを行い、子宮内膜症の疑いがあればMRIを撮影します。
治療は大きく分けてホルモン製剤を服用する薬物療法と、手術の2つ。卵巣のチョコレー嚢胞が4〜5cmを超えると手術を検討します。腹腔内の癒着だけの場合、手術で剥がしても再発の可能性が高く、また痛みが軽減するとも限らないので、癒着剥離単独ではほとんど行いません。

薬物療法で症状緩和

ーまず薬物療法について詳しく教えて下さい。

代表的なホルモン療法は、体内の女性ホルモンの周期的な的な変動を抑える方法です。服用中は排卵が止まり、子宮内膜の増殖を抑えることで、月経周期に伴う辛い症状を抑えることができます。
ホルモン製剤には2タイプががあり、1つは女性ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンを組み合わせたもので、商品名はルナベル配合と錠とヤーズ配合錠。経口避妊薬として処方される低容量ピルとほぼ同じ成分です。
1日1回約3週間服用後、1週間の休薬期間があります。量も子宮の収縮もとても軽くなるので、子宮内膜症のほか月経の重い月経困難症の方にも処方されます。
近年がは2〜4ヶ月連続服用し、4日間休薬するヤーズフレックスが登場。旅行やスポーツの試合などに合わせ、自分の出血周期をコントロールしながら、子宮内膜症と上手に付き合う患者さまも増えてきました。連続服用の方が子宮内膜症に効果があるという報告もあります。
ただし40歳以上、または35歳以上の喫煙者や肥満の人は血栓症のリスクが上がるため原則として服用できません。

ーもう1つのタイプは?

黄体ホルモンの単剤で、商品名はディナゲスト。
40歳以上でも服用でき、旧約期間はなく、毎日服用します。子宮内膜症の病巣にも直接作用し、鎮痛効果が高いのが利点でしょう。ただ、おりものシートを必要とする程度の不正出血が、不定期に起こることがあります。
また患者さまによては血流をよくする漢方薬(当帰芍薬散など)や消炎鎮痛剤を併用することもあります。患者さまの症状に応じた薬物療法を選んで、閉経まで子宮内膜症とうまく付き合っていくことになります。

低侵襲な腹腔鏡手術

ー手術をすれば根治できるのでしょうか?

手術にはチョコレート嚢胞のある卵巣を丸ごと取る全摘出と、チョコレート嚢胞だけを剥がして刳り抜く温存術があります。患者さまが40代ですでに子どもがあり、もう妊娠を望まないなら全摘出で根治を優先します。温存術では30〜50%の再発がみられるからです。

前方から見た子宮と卵管。子宮内膜症が発生しやすい部位を示している

ー温存術は、将来出産を希望する方が対象なのですか?

はい。チョコレート嚢胞は。不妊の原因にもなりますし、たまに破裂して激痛に見舞われることもあるため、経過観察で大きさを見ながら早めに手術をおすすめしています。最近では術後にホルモン製剤の服用を続ければ、再発率が2〜3%になることもわかってきました。すぐに妊娠の予定のない方は、術後ホルモン療法により卵巣を良いコンディションで維持することはできます。卵巣は左右に1個ずつあるとはいえ、2個残した方が妊娠には有利なので、なるべく卵巣を温存し、その周囲に不妊の原因となるような癒着あれば合わせて処理します。
等婦人科は医師4名で、うち3名が女性医師です。女性のライフステージに合わせ、親身に相談に乗るように心がけています。

側面から見た子宮と周辺の臓器。
子宮と直腸の間(ダグラス窩) や子宮と膀胱の間にも子宮内膜症が発生しやすい。

ー手術は低侵襲な腹鏡手術が中心とうかがいます。

平成30年度の婦人科手術実績はポリープ切除も含め343件ですが、開腹は3例のみでした。当科では3名が日本産婦人科内視鏡学会技術認定医腹鏡手術部門のライセンスを持ち、さらにそのうち22名が経腟で手術器具を操作するし旧教部門の認定も得ており、高い技術には定評があります。
卵巣の全摘術と温存術は、どちらもお腹を3〜4箇所小さく切開し腹腔鏡と鉗子などの器具を挿入。概ね1〜2時間で週です。痛みも出血も少なく、傷跡もほとんど気になりません。

その他の良性疾患

ー子宮腺筋症という疾患もありそうですが?

これは、子宮内膜組織が、子宮の壁=子宮筋層に入り込み、やはり増殖と剥離を繰り返す疾患です。次第に子宮が大きく腫れていくため、本来の子宮内膜の量も増えてしまい、経血の量が以上に増える過多月経となり、貧血を起こします。月経痛や腰痛を訴える過多も多いですね。

ーやはり、ルナベルやヤーズが有効ですか?

はい。薬物療法は基本的に子宮内膜症を同じで、貧血が重ければ増血剤を処方します。出産経験のある方なら、子宮内に小さな器具を装着するミレーナ52mgもよいでしょう。子宮内に持続的に黄体ホルモンを放出するシステムで、子宮内辞任器具を兼ねています。 1度装着すれば約5年間有効。毎日服用する手間がなく、忙しい方には便利ですよ。

ー手術も可能ですか?

子宮腺筋症は、病変部と子宮の正常組織との境目があきらかではないため、部分切除に向きません。子宮を全摘することになり、妊娠は不可能になりますから、患者さまと慎重に話合って決定します。子宮全摘術も、多くは腹腔鏡で行うことができます。

ー子宮筋腫もよく耳にします。

良性のコブのような腫瘍で、女性の3割がもっているといわれているほど、ありふれた疾患です。大きさも個数も、できる位置も子宮の内側や外側などいろいろで、症状は月経痛と過多月経、病変部位によっては不妊の原因になります。これらの症状がある場合は治療が必要です。
薬物療法だけでは根治できないため、当科では症状に応じてなるべく低侵襲な手術をっすすめています。子宮の外側なら腹腔鏡手術、内側なら経腟の子宮鏡手術が安全・確実でしょう。
手術前に数ヶ月ホルモン製剤(GnRHアナログなど)を投与して、一時的に”偽の閉経状態”を作り出し、腫瘍を小さくしてから実施します。

ー女性は生涯、女性ホルモンの影響の下で生きていきます。 婦人科は女性の生活の質を守る大切な見方なのですね。本日はありがとうございました。

骨盤側面からのMRI画像。
中央の円形部分が大きく腫れ上がった卵巣

骨盤横断面のMRI画像による同じ卵巣

子宮の壁に内膜組織が入り込み、
子宮全体が、お腹がポッコリ膨らんで
見えるほど大きく腫れている

様々な大きさの筋腫が、子宮の内側にも
外側にもできている。
子宮腺筋症に比べて病変の境界が明瞭

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