外科・消化器外科・肛門外科

外科統括部長挨拶

2018年4月より明理会中央総合病院外科に赴任しました。当院の外科は、北区の第一線病院にふさわしい救急・急性期医療を含む消化器癌を中心とする腹部および一般外科の診療を行っています。外科専門医、消化器外科専門医の資格を有する外科医が4名もおり、日本消化器外科学会専門医制度規則により専門医修練施設に認定され、消化器癌を中心とする高度専門医療のできる病院及び専門医の教育機関です。また、急激に増加しつつある肝胆膵領域や食道の悪性腫瘍に対する手術体制も3名の外科医の増加で整い、外科領域の癌疾患で治療できない領域はなくなったことより、今後ますます意欲のある医師が増えることが予想されます。
当院外科の柱は消化器癌,一般外科の癌治療ですが、外科の年間手術件数は私が来るまで年間300~350例ほどでした。私は2018年3月まで千葉県松戸市の新東京病院に14年間おり、癌の手術だけで年間400~450例ほど手術をしていました。特に高難度手術の食道、肝胆膵の悪性腫瘍は100例に及びました。当院は数としてはまだ足下にも及びませんが、少しずつ患者さまや近隣の医療機関の信頼を得て一歩ずつ歩幅を大きくしていきたいと思っています。

外科統括部長 伊藤 英人

対象となる主な疾患

当院外科の主な対象疾患は、上は食道・胃から下は直腸・肛門におよぶ消化管の悪性疾患、良悪性を含む肝・胆道・膵疾患、乳腺・甲状腺の良悪性疾患、肛門(痔核、痔ろう、裂肛など)、ヘルニア(腹壁、鼠径、大腿など)、気胸などの良性疾患であり、特にこの地域特有の急性疾患、急性腹症にも24時間対応できるようになっています。
また、当院における消化器内科で、胃癌、大腸癌において内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を積極的に行うようになり、地域の大きな医療機関が近くにあるにも関わらずこれほどの症例が確保できるのは、消化器科、外科が連携をとり、ガイドラインに沿って適応を決め、お互い協力しながら治療法を選択できるようになり相乗効果として手術症例に反映しているものと言えます。さらに、放射線科の医師による画像診断に対して強い味方が加わり、患者さまにとって無駄のない強力な消化器疾患の治療ができるようになりました。
内視鏡(腹腔鏡、胸腔鏡)を使った手術も、胆石・胆嚢炎、大腸癌、胃癌、逆流性食道炎を伴う食道裂肛ヘルニア、癒着剥離、虫垂炎、肝嚢胞、直腸脱など多種多様に施行しており、鼠径ヘルニアに対しての腹腔鏡下手術も積極的に行うようになり、症例を選んでガイドラインに従って施行するようにしています。また、食道癌に対する胸腔鏡を使用した手術も行えるようになり、患者さまや近隣の医療機関の期待に応えられるよう努力しています。
当院の特徴のひとつでもある救急疾患も多く、急性虫垂炎、急性胆嚢炎、腸閉塞、急性腹症(消化管穿孔や虚血など)で緊急手術においては外科医がオンコールで24時間体制で待機しています。

外科診療のコンセプト

外科診療のコンセプトはチーム医療であり、外来、入院をとおし主治医だけでなく、外科医全員で診療を行うことを基本とし、患者さま中心の治療体制をとっています。患者さまに基づく手術適応の決定、選択すべき手術方法などは日進月歩変化してきており、個々の外科医の専門分野は細分化され、自分の専門分野以外は昔の知識のままという事態が起こらぬよう、医療の計画化、標準化を通じて医療の質と効率を高めるためクリティカルパスの導入はもちろん、科学的根拠に基づいた医療(EBM)へのステップのため、当院の外科医だけでなく外科医学会のコンセンサスが得られた治療法をマニュアルとして作成しています。
さらに最近は消化器癌、乳癌に対する化学療法も目覚しく進歩しており、進行度に応じた補助療法を的確に実施し、患者さまの生活の質(QOL)をより良く長く維持できるように手術前、手術後、さらには再発後などその状況に応じて、特に患者さまの状況に応じた個別化治療を実施しています。化学療法は内容によって入院したりしますが、患者さまの状態によって随時入院していただいています。そういった融通がきくところが当院の特徴の一つとなっています。

検査について

当院には最新の各種検査機器(CT、MRI、GIF、angio、echoなど)が24時間体制で配備されており、緊急時の対応を含め手術適応、術式の決定に大いに役立っています。
常に最高水準で最高の外科医療を提供できるようスタッフを揃えており、また、近くには大学病院も数多くあり、常に連携をとりながらも同等以上の治療が提供できるように日々努力しています。

体制について

現在外科外来患者数は、一日平均30名前後であり、月曜から土曜まで午前・午後(火、金)行っており、専門外来も消化器癌、食道・胃疾患、大腸肛門、腹腔鏡外科、甲状腺、日帰り(DS)と設けていますが、各医師専門性を持ち外来を行っています。患者さまの症状に合わせて専門外来に来ていただけるよう、また、患者さまの不安を取り除き安心して検査や治療が受けられるようになっています。

消化器および外科入院病床は常に約60床ベッドが確保されており、癌を含む急性疾患の患者さまに対し、入院待ちで症状が進行したり治療が遅れることのないよう努めており、迅速な入院、治療が受けられるところが急性期病院である当院の特徴であり、特質できる点であると言えます。さらに術後のケアーができる点、患者さまの病気が完治するまで、もしくは再発しても迅速に次の治療が受けられるよう主治医が親身になって向き合えるところが良い点と考えます。
外科一丸となり患者さまの治療に専心する体制が整えています。伊藤が食道胃、肝胆膵を中心にした消化器癌を、吉谷が大腸癌などの大腸肛門疾患を、村松が外科全般を中心に、3名のスタッフがそれぞれ得意とする分野を持っており、全員が外科全般を盛り上げて日々研鑽していますので、どうぞ安心して御来院ください。

手術症例について

外科統括部長の伊藤が当院に赴任して間もないため、前病院での胃癌症例、大腸癌症例、食道癌症例についての長期成績を載せます。過去に雑誌に載った手術症例についても併せて掲載します。患者さまにはこれも参考にしていただければと思います。

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医師紹介

村松 さやか
村松 さやか
専門分野
  • 消化器外科
  • 乳腺外科
専門医認定/資格等
  • 外科専門医
  • ストーマ認定士
  • 検診マンモグラフィ読影認定医
  • 乳がん検診超音波実施・判定認定医
  • 日本周産期新生児医学会 新生児蘇生法 「専門」コース NCPR認定
  • JATECコース修了
  • TNTコース修了