健康診断を受診する際の注意事項

トップページ > 健康診断を受診する際の注意事項

当クリニックでは、細心の注意を払って医療行為を行っておりますが、以下の点をご理解いただいたうえでご受診をいただくよう、お願い申し上げます。

レントゲン検査による被ばくについて

健康診断で使用する放射線(X線)の量は、身体に影響が出ると言われている量よりもはるかに少ない量を使用しています。

  • 胸部X線検査(2方向) 0.06mSv(ミリシーベルト)
  • 上部消化管撮影(バリウム) 3.5mSv
  • 胸部CT検査 2~3mSv
  • ファットスキャン(CT) 0.4mSv
  • 腹部CT検査 20mGy(ミリグレイ)
  • マンモグラフィ(2方向) 2.4~3mGy
    ※被ばく量は、測定機器、方法、時間、体型等により異なります。
    ※MRI検査は、磁気を利用した検査なので被ばくはしません。
    ※妊娠中はレントゲン検査・マンモグラフィ検査を受けることができません。
放射線被ばくの早見表

※参考資料:国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構より引用

上部消化管撮影(バリウム)検査による副作用について

  • 現在便秘がひどい方(3日間を目安)は検査後にバリウムが排出されず、腸閉塞など重篤な症状が起きる場合があります。
  • 1年以内にお腹の手術を受けた方はバリウムや下剤により消化器官への負担が大きくなるため検査できません。
  • バリウムをうまく飲み込めず、誤って気管や肺に入ってしまった場合、肺炎などの重篤な症状を引き起こすことがあります。
  • ぜんそく、アトピ-のある方は、バリウムで過敏性反応(じんましん、冷や汗、呼吸困難など)の症状が起きることがあります。
  • 健康な方でも水分摂取を怠ると、バリウムが出にくくなり、腸閉塞、消化管穿孔などの重篤な転帰を辿ることがあります。
  • その他様々な偶発症の危険性があります。(例:検査台からの転落など)

1)下記に該当する方は原則として上部消化管撮影(バリウム)検査を受けられません。

  • 体重が130kg以上の方
  • 妊娠中、または妊娠の疑いのある方
  • おひとりで立てない方や検査台上で体位を変えることのできない方
  • 検査当日の段階で3日以上の便秘をしている方
  • 過去のバリウム検査でアレルギー症状を起こしたことのある方

2)下記に該当する方は、事前に主治医にご相談ください。

  • 1年以内に消化器(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・骨盤膣)の手術を受けたことのある方 ※内視鏡・腹腔鏡手術を含む
  • 腸閉塞、大腸憩室炎、クローン病、潰瘍性大腸炎などの消化器系の病気のある方
  • 心臓病、腎臓病の治療中で水分制限を受けている方
  • 不妊治療中の方
  • 糖尿病の治療をされている方で、バリウム検査を受診される方は、必ず以下の内容を主治医にご確認ください。
    1.バリウム検査を受診してよいか。
    2.検査当日にインスリン注射を打ったり、糖尿病の薬を服用してよいか。

3)その他注意事項

  • 高血圧のお薬を常用している方は、来院2時間前までに少量(コップ1杯50ml程度)の水で服用してください。(受付時に職員に服薬時間をお伝えください)
  • 授乳中の方は検査を受けられない場合があります。

採血検査に伴い起こりうる症状について

「採血」は、基本的には安全な手技であり、合併症の頻度は極めて少なく、また軽症なものが多いですが、まれに次のような症状が起こることがあります。

  • 止血困難・皮下血腫(青あざ):
    採血後に血が止まりにくかったり青あざが生じたりすることがあります。
  • アレルギ-:
    採血時の消毒薬やスタッフの手袋(ラテックス)などでかゆみ等アレルギ-症状が出ることがあります。
  • 神経損傷:
    採血後も手指へ拡がる痛み、しびれなどが持続することがあります。
    約1万~10万回の採血に1回程度起こるとされています。
  • 血管迷走神経反応:
    採血前後に、神経が過剰に反応し急激に血圧が下がることによって、めまい、気分不良、意識消失などを引き起こすことがあります。

子宮頚部細胞診検査に伴い起こりうる症状について

子宮頸部の細胞を採取器具でこすりとって検査を行うため、出血する場合があります。

内視鏡検査に伴い起こりうる症状について

麻酔薬により表面麻酔をしますが、ごくまれにこれによって気分不良やのどに浮腫を起こすことがあります。
胃の動きを抑える注射により、目のちらつき、のどの渇き、動悸、尿の出が一時的に悪くなるなどの症状が出ることもあります。
内視鏡の挿入は、胃の曲がった部分を通過するため、非常にまれですが出血や穿孔を起こす場合があります。
上記した内視鏡検査による偶発症:ショック・出血・穿孔などの発生頻度は0.007%で10万人に7人の確率です。
(※日本消化器内視鏡学会より)

その他、医療機器等によるアレルギーについて

使用する、消毒液・手袋(ゴム)・バリウム・麻酔薬などの医療機器(器具)等によりアレルギーを起こす場合があります。気になるアレルギーをお持ちの方は、予めお申し出ください。

■下記該当の方は健診当日に検査を受けることができない場合や、検査結果が参考値になる場合がありますので、事前にご相談ください。

  • 健診当日、水以外の飲食物を一口でもとってしまった方(お茶、紅茶、コーヒー、ガム、アメ、ジュース等も含みます。)は一部検査を受ける事ができません。また、検査によっては結果が参考値になる場合があります。
  • 感染症(インフルエンザ、流行性結膜炎、嘔吐下痢症、結核、疥癬症など)にかかっているか、その疑いがある方や、発熱(37.5℃以上)または、咳、喉の痛み等のひどい風邪症状がある方は治療を優先するため、当日検査を受ける事はできません。
  • 糖尿病治療中の方で、検査当日の朝、薬を服用または注射をしてしまった方。
    ※薬の服用、または注射をすると低血糖の恐れがあります。
  • 健診当日の血圧が160/100mmHg以上の方は一部検査を受ける事ができない場合があります。
    ※高血圧の薬を常用している方は、絶食のまま少量(コップ1杯:50ml程度)の水で必ず服用して来院ください。

下記該当の方は一部受けられない検査がありますのでお申し出ください。

  • 心臓にペースメーカー等の装置がある方は体脂肪測定、CT、マンモグラフィ等の検査を受けることができませんので事前にご連絡ください。

記載のない検査の注意事項については、施設にお問い合わせください。
万一、これら合併症が起きた場合には、最善の処置及び治療先のご紹介を行います(なお、その際の医療は通常の保険診療となります)。