IMSグループ医療法人財団 明理会 イムス富士見総合病院

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診療科のご案内

乳腺頭頚部外科

診療内容

乳癌を中心とする腫瘍疾患、癌との鑑別を行い、手術に向けてスムーズな診療につとめます。再発予防及び進行再発例に通院で化学療法を行います。頭頸部疾患は甲状腺癌を中心とする腫瘍や外科治療を必要とする頭頸部疾患を扱います。

対象疾患・治療

乳腺疾患

乳腺疾患について詳しく見る

乳腺とは

乳線ではありません。腺です。腋窩から鼠径部をつなぐ線(乳腺堤線)上に発生します。多くの人では前胸部,5%で腋窩に腋窩乳頭が発生します。腺組織は前胸部乳腺と連続することもありスペンサ乳腺といいます。知らないと腫瘍と間違うことがあります。

乳がんの診断

視触診

乳癌・甲状腺癌とも視触診が基本です。70%以上の例で診断が可能,速やかに治療開始を考え,検査を進めます。非癌診断は困難です。検査は費用負担・合併症の最小化に努めます。速やかに診断治療を開始して下さい。

しこり まず,しこりです。治療対象となる乳がんの90%にみられます。しこりは重大症状です。固いのが通常ですが,周囲脂肪を巻き込むことで一見柔らかいことがあり,偽脂肪腫サインといいます。皮膚の発赤,えくぼ,陥凹症状を伴うことがあります。外上部に多いとされます。後に述べるはしこりがない乳管内癌,Paget乳がん,潜在乳がんがあります。
分泌 授乳期以外の乳頭分泌は異常です。乳性→漿液性→血性の順,多乳管性→単一乳管の順に癌の可能性が高い。精度は高くありませんが,必ず細胞診を行います。
乳頭のただれ 乳頭から乳輪に及ぶただれが起きる乳がんをPaget乳がんといいます。若い女性では難治性のアトピー性皮膚炎もあります。
えくぼ,くぼみ 乳頭から離れた皮膚に発生します。癌以外で起きることは少ない。腫瘤上のこともありますが,離れても発生します。
乳頭陥凹 乳頭に続く,乳管が腫瘤に巻き込まれることで発生します。腫瘤が乳頭直下でないときは乳頭の腫瘤側への傾き(pointing)となります。非がん性のこともあります。授乳困難,乳腺炎の原因となります。乳頭陥凹のみで乳癌と断定して乳房切除する医師がいます。注意しましょう。
発赤 多くは乳がんが進行した病態です。広範囲の発赤では後に述べる炎症性乳がんと呼ばれます。炎症と間違われることがあります。切開排膿術を施行された後,治癒しないで放置されることがあります。
乳頭の欠落,潰瘍 多くは腫瘤を伴います。出血,感染,悪臭,痛みを伴います。細胞診,細菌検査を行います。穿刺吸引細胞診や切開生検は潰瘍部分から行って健常部への散布を避けます。
乳頭の欠落,潰瘍 多くは腫瘤を伴います。出血,感染,悪臭,痛みを伴います。細胞診,細菌検査を行います。穿刺吸引細胞診や切開生検は潰瘍部分から行って健常部への散布を避けます。
腋窩の腫瘤 乳癌のリンパ節転移によって起きることがあります。乳房腫瘤を伴わないこともあり潜在乳がんといいます。結核,非定型抗酸菌症,猫引っ掻き病,リンパ腫,他種癌腫の転移のことがあります。病理検査のみでなく,細菌検査が必要です。切除後の治療が異なります。
Pagetパジェット乳がん 乳頭近傍の乳管内に発生して乳頭に達し,腫瘤を形成しない乳がんがあります。乳頭のかさぶたや(痂皮)やただれをおこします。乳管を伝わって乳頭皮膚に広がったものです。腫瘤があって乳管内を伝わって広がり,かさぶたやただれを起こすことがあります。乳頭先端から離れて発生することはなく,乳輪部だけに発生することはありません。10代20代ではアトピー性皮膚炎でびらんを作ることがあります。捺印細胞診でアトピーでは炎症細胞,Paget乳がんではPaget細胞を認めます。
炎症性乳癌 乳房が広範囲に赤く腫れて痛みます。時に乳腺炎として切開されます。逆に乳腺炎が乳癌とされて処置されます。病期3bの進行症状にもかかわらず診断は容易ではないのです。皮膚真皮のリンパ管転移により起きます。
上腕浮腫 腕の腫れを訴える来院者があります。乳房を診ると診断は容易です。リンパ節郭清後のリンパ流の停滞により発生します。郭清を行わないこと,センチネル生検のみにすることで発生を防ぎます。術後1年以上経過している場合は乳癌の再発を疑わねばなりません。
線維腺腫
葉状腫瘍
過誤腫
基本的には良性で経過観察することもありますが,後日切除して悪性であることが判明することもあります。大きくなると乳房が変形し,手術も難しくなります。病理診断が困難で切除後に転移の見つかることもあります。癌との鑑別には切除確認が勧められます。内容が液体出ない場合を充実性といいます。
乳腺嚢胞 腫瘍性嚢胞,嚢胞内乳頭腫,粘液瘤,嚢胞内乳癌,扁平上皮癌で嚢胞を形成します。さわって液体の存在を推察させる波動を認めます。押さえすぎると破裂するので注意が必要です。乳腺嚢胞症は35歳から閉経まで授乳と関係なく両側乳房に多発し,エコー検査で高頻度に指摘されます。時に固い腫瘤として触知されます。乳瘤は授乳期で乳汁を貯留する乳瘤となります。経過観察はエコーで実質部分のないこと血流のないことが条件です。穿刺吸引後は腫瘤消失を確認,5分以上圧迫して止血します。細胞診を実施します。腫瘍性でないことの確認です。

マンモグラフィ

広く宣伝され,よく知られている乳がんの診断法の一つです。波長の長いX線(軟線といいます)50%の腫瘤性乳癌を確定診断できます。他の50%については診断できません。微細石灰,スピクラが癌所見です。乳腺構造「構築の乱れ」や微細石灰やスピクラのない腫瘤所見では疑いです。左右非対称腫瘤もがん疑いです。癌確定診断ができるのにがん所見無しは非癌を意味しません。
乳房を圧迫板で10kgの力で挟んでレントゲン撮影します。痛みを伴います。立てない人では実施困難です。

エコー

乳房に密着用のゼリーを塗って超音波発信受信端子を操作します。圧迫の必要はありません。寝て実施します。寝たきりの人にも実施可能です。乳癌の70%から90%で腫瘤を描出できます。癌では特徴的な腫瘤や石灰化がみられます。乳管拡張を描出できます。乳管内乳癌では発生乳管の拡張を認めることがあります。腫瘤内血流を確認できます。嚢胞を否定するだけでなく豊富な血流は乳癌の診断根拠となります。

MRマンモグラフィ

強力な磁場を掛けることで生体から出る信号を画像化します。X線を使わないので被曝しません。狭い場所に閉じ込めるので閉所恐怖症の方はできません。血流のある病変では造影効果が見られます。病変の乳腺内の拡がりを見ます。切除範囲設定の根拠とします。造影剤を使います。腎不全の方はできません。腎機能を示すクレアチニン検査が必要です。喘息のある方もできません。

CT

触診の難しい巨大乳房深部の腫瘤を見つけることがあります。X線を使うので被曝します。病変の検出は機種の正常に依存します。造影剤を使うことで病変検出度が改善します。マンモグラフィのような細かな石灰は見えません。

PET/CT

癌はブドウ糖代謝が盛んです。放射性フッ素をつけたブドウ糖(FDG)を注射し,集積した部位をガンマカメラで検出します。半減期はきわめて短いのですが,強力な放射線なので本人のみならず,周囲を被曝させます。FDG投与後2時間以上経過して排尿させて帰宅させます。1cm以上のがんを検出できます。炎症病巣も描出されます。乳房,腋窩,鎖上,肺,縦隔,骨へのがん波及,時に他臓器癌を検出します。転移の発見が容易です。切除の可否,化学療法・内分泌療法の効果を評価できます。

検査・治療の実施手順

  • 視触診にて可能性の高いものを推定
  • 安価→高価
  • 非観血→観血的検査
  • 重大なもの(がん)優先鑑別
  • 手術法決定に関わるもの 病理診断 追加治療の決定

病理検査

腫瘍を適切に切除し,がん・非がんを診断します。乳癌の5から10%は病理診断が難しく,特に小病変(<1.0cm)で困難となります。がんではホルモン受容体,Her2,分裂細胞比率を推定して治療法を選択します。

①生検 病巣組織をとって病理検査することです。細胞診ではありません。
摘出生検(全部とる)と切開(一部とる)生検手術です。針生検は切開生検です。切開生検は癌でないとき,乳房切除を含めた広範囲切除が予定されているときに行います。摘出生検は周囲に癌遺残がないように実施します。不適切な生検は乳房温存術を困難にします。
②迅速病理診断 病巣組織をとって病理検査することです。細胞診ではありません。
摘出生検(全部とる)と切開(一部とる)生検手術です。針生検は切開生検です。切開生検は癌でないとき,乳房切除を含めた広範囲切除が予定されているときに行います。摘出生検は周囲に癌遺残がないように実施します。不適切な生検は乳房温存術を困難にします。
③穿刺吸引細胞診 昭和57年から広く行われる様になりました。腫瘤を21ゲージ針で刺して吸引します。 癌を1回穿刺して癌と診断できる確率は50%,3回繰り返しても75%,良性腫瘤を穿刺して癌と診断される確率は10%と観血的診断法であるにもかかわらず,信頼度には限界があります。癌判明後の切除予定範囲以上に針を進めない。穿刺後は十分に圧迫して止血する。
④針生検 組織を採取できる中空針を用います。トルーカット,シルバーマン,シュワーカット,バコラ,マンモトームなどを用います。組織量を十分にするため,繰り返し穿刺します。術前治療を行う場合に組織学的情報が必要となるため実施されます。癌判明後の切除範囲以上に針を進めない。穿刺後には圧迫して止血します。

乳がん外科治療

がんに対する乳房切除

以前は乳房切断,最近は全摘などといわれます。乳頭を含めた切除となります。大きな癌で温存可能部位がない場合,適応せざるを得ません。後日の再建を考えます。温存可能なうちに手術し,全摘は避けたいものです。

温存術

最近の外科治療の基本です。腫瘤のみ切除します。周囲への広がりがあれば照射を追加します。術前にMRIで腫瘤周囲多発を確認し,腫瘤切除と同時に切除して照射を省略します。乳頭下乳管断端は術中に採取した断端標本で癌浸潤を確認します。断端陽性の多くは非浸潤癌なのでcore outを追加します。

乳癌の手術とリンパ節

最近の外科治療の基本です。腫瘤のみ切除します。周囲への広がりがあれば照射を追加します。術前にMRIで腫瘤周囲多発を確認し,腫瘤切除と同時に切除して照射を省略します。乳頭下乳管断端は術中に採取した断端標本で癌浸潤を確認します。断端陽性の多くは非浸潤癌なのでcore outを追加します。

①リンパ液、
リンパ節とは
ヒトの体液は淀むことなく常に流れて浄化されます。血液は血管内を高速で流れます。血管外を流れるのがリンパ液です。リンパ管に入ってリンパ節で濾過され,最終的に静脈に戻ります。皮下出血した血管外に漏れた血液細胞,様々の原因で混入した細菌のみでなく,がん細胞もリンパ管に取り込まれてリンパ節へと流れていきます。
②腋窩リンパ節郭清の
弊害
腋窩リンパ節は乳房からだけでなく,腕からのリンパ液の流れを受けています。郭清されますと、
1.リンパ液の漏出(術直後に多い)
2.上肢の浮腫(5%では著明)
3.上肢挙上障害
4.リンパ管炎(手荒れ,虫さされ,擦り傷,やけど,日焼け,注射などから発生します。これらを避ける様努力する必要があります。)
5.腫瘍の発生(まれですが,リンパ管肉腫が起きます。命にかかわります。)
など,いずれも日常生活に支障を来し、とても厄介です。
③腋窩リンパ節非郭清の
弊害
延命効果がないとのことで腋窩郭清をしない場合があります。潜在していたリンパ節の再発が起きたときに弊害が現れます。
1.追加郭清の遅れ:経過観察で再発の診断が難しい時に起きます。以下2,3,4に進展します。
2.腕神経叢麻痺:腕が麻痺して痛みを伴います。日常生活に著しい支障を来します。
3.上腕浮腫:リンパ管の閉塞だけでなく、静脈の閉塞も起きる様で、壊疽から敗血症を起こすことがあります。
4.患肢挙上障害:麻痺はなくて腕が動かなくなることがあります。
④対策 まず,郭清しないことです。N0例では郭清してもしなくても生命予後は変わらなかったとされています。転移があれば郭清した方がいいかもしれません。センチネル生検で転移陽性例のみ郭清することにして転移がなければ郭清しないことにすれば70%以上の人が郭清を省略できます。腋窩再発は全身転移の一部で他臓器再発の状況を考慮し,生存期間中の弊害を最小限にする必要があります。

センチネルリンパ節について

臓器のリンパ液は全身に戻る前にそばのリンパ節に取り込まれると考えられています。それをセンチネルリンパ節と呼びます。腕であればわきのした(腋窩),下肢であれば太ももの付け根(鼠径部)のリンパ節は領域リンパ節と呼ばれますが,その中でも一つ目があってそれがセンチネルリンパ節と呼ばれます。

①乳房のリンパ流と
センチネルリンパ節
以前は乳癌は腋窩の特定のできない複数のリンパ節に向かうと考えられていました。(図左)ところが,最近になって一つ目であるセンチネルリンパ節に転移してから上流へ転移することが分かりました。(図1右) 図1.乳房のリンパ流
②センチネルリンパ節の
探し方
乳房に近い一つのリンパ節といっても切除するには外科医が目で見て確認する必要があります。わきのした(腋窩)にはたくさんのリンパ節があり,単に乳房との距離が近いからといってセンチネルリンパ節かどうかは分かりません。皮下深部にあるリンパ節を探すためにいくつかの方法が考案されました。
③放射性物質を使う方法 研究は乳癌の患者さまで始められました。放射性物質を乳房腫瘤近傍に注射し,リンパ節の取り込み状況を観察します。放射線を術中に見るのは難しいのでシンチカメラ(放射線を見る大型の機械)で,術前にセンチネルリンパ節の部位を確認します。術中はガンマ線検出器で放射線源の方向に向かって進み,視診,触診でリンパ節を確認します。摘出したリンパ節と摘出部位の放射能を測定し,センチネルかどうかを確認します。放射性物質は執刀医のみならず,病理検査技師,看護師を放射線被曝させます。
④色素を使う方法 腎機能や肝臓機能検査で使用されている青や緑の色素を乳房に注射します。乳房に注射した色素はセンチネルリンパ節に向かうリンパ管(輸入管)に入り肉眼視できるのでこれを追いかけてセンチネルリンパ節を探します。放射性物質を用いる場合も肉眼視の有利性から併用(2-チャンネル法などといわれる)して,リンパ節を確認するようです。
⑤赤外蛍光法を使う方法 赤外線は皮膚・皮下脂肪を透過します。インドシアニングリーン(ICG)は肝機能検査に用いられている緑色色素で赤色光で赤外蛍光します。緑染したリンパ管は肉眼視できますが,体外から赤色光を照射し,リンパ管からの赤外蛍光を赤外線検知カメラで観察します。皮下リンパ管からの赤外蛍光を確認できます。術前にリンパ管の走行が分かるのでより速やかに染色輸入管を確認し染色リンパ節(センチネル)に到達できます。術中にもリンパ管やリンパ節の赤外蛍光を探すことができますが,浅層の赤外蛍光に妨害されて手技は難しくなります。
⑥赤外蛍光カメラ画像の
実際(図2)
センチネルリンパ節生検は何の役に立つのでしょうか。当初,センチネルリンパ節切除後に通常に腋窩郭清を追加してそれぞれの転移状況を比較すると,センチネル転移陰性の90%は追加部も転移陰性でした。乳癌の7割にはリンパ節転移がありません。旧来の腋窩郭清は7割には無用の処置となります。センチネルリンパ節に転移がなければ他のリンパ節(腋窩)転移はないので通常の郭清を省略できるのです。
乳房乳輪部皮下に注入した色素の赤外蛍光する光塊から腋窩に向かう光条がみえます。センチネルリンパ節に向かう輸入リンパ管です。これを狙って皮膚を切開し,青染するリンパ管を追求しセンチネルリンパ節を見つけます。 図2.赤外蛍光カメラ画像の実際

薬物療法

化学療法

①Cooperのレジメン 1969年アメリカの癌治療学会(ASCO)でcyclophosphamide, methotrexate, 5-fluorouracil, vincristine, predonisolone (CMFVP) 5剤併用療法で88%の奏効率が報告されました。その後追試されCMFが主作用薬とされた。CMF療法とCAF療法CMFは欧米では普及したが,我が国では副作用が強く奏効率が低いこと,Fの経口製剤が開発されたことで普及せず,C単剤使用,Adriamycin (A)の導入があり,CMFのMをAで置き換えたCAF療法が普及した。再発予防としてもCMFは普及したが,CAFが優るとされている。
②タキサン イチイの葉や樹皮から抽出された薬剤で,A投与後にも高い奏効率が見られる。低心毒性アンスラサイクリンAを代表とするanthracycline薬には心毒性があり,配位する糖の4'OHに由来するとされここを修飾した薬剤が開発された。4'epimerであるepirubicin (EPI or E)では心毒性が半減したことより,CAFのAをEで置換したFEC100療法が有用であるとされている。Aを心毒性発現量以下で使用する我が国のやり方の中での意義も今後明らかになるかもしれない。
③内服化学療法 5-FU(CMFのF)我が国では内服薬が開発され,肝転移の治療効果が高いとされている。がん細胞で高濃度となり選択毒性となる。フッ化ピリミジン製剤フトラフール UFT TS-1 フルツロン ゼローダ 細胞内の5-FUの濃度に比例して抗腫瘍作用を発揮する。腫瘍内で5-FUとなる。
④薬物療法
(分子標的療法)
ハーセプチン
10%の乳がん細胞に発現する増殖因子受容体で常時活性化しているHER2neuに対する抗体で,結合することで細胞増殖を抑制する。初回投与時以外はほとんど副作用がなく使いやすい。2%以下ではあるが,心毒性がある。ヒト化したモノクローナル抗体である。

パージェタ
ハーセプチンの効果を増強する。HER2neuに対する結合部位が異なるヒト化したモノクローナル抗体である。再発予防の保険適応はなく,手術不能乳がんや再発乳がんに用いられる。
⑤薬物療法
(内分泌療法)
ホルモン療法
卵巣摘除に無効例があることから,奏効例を予測すべく,エストロゲン受容体(ER)が測定し,半数にER陽性(現在80%)でその半数に内分泌療法が有効(現在100%)で他は無効とされた。
抗エストロゲン(閉経後)
タモキシフェン(閉経前後),トレミフェン
アロマターゼ阻害剤(閉経後)
アフェマ,フェマラ,アロマシン,アリミデックス
LH-RH(閉経前)
ゾラデックス,リュープリン
卵巣機能抑制は可逆的と考えられる。
フェソロデックス(閉経後)
抗がん剤
卵巣摘除効果がある。

乳がんの腫瘍マーカー

CEA, CA15-3, NCC-ST432,BCA225, 血清HER2蛋白
がん細胞から分泌されて血液中に入ったものを計ることになります。転移巣からの分泌が主になります。

乳癌検診

保険診療ではありません。対策型と任意型があります。対策型は頻度の高い癌を対象として,非検診癌に比べてがん死亡が抑制される手法を使います。メリットがデメリットに優ることも評価されています。マンモグラフィと触診あるいはマンモグラフィのみがこれに当たります。

任意型検診

視触診,マンモグラフィ以外にエコー,CT,MRI,PET/CTなどが選択されます。乳癌発見には有用ですが,死亡抑制は示されてません。検査項目は検査機関や被検者により自由に選択されます。

乳癌検診のデメリット

①過剰診断 癌でないものを拾い上げることです。受診者の不安,検査負担が起きます。
②見落とし 検査で癌が見つからないことがあります。
③マンモグラフィ時の
疼痛
読影しやすい写真を撮るためにおよそ10kgの圧迫を加えます。痛みは必発で,インプラントや腫瘤の破裂が起こることもあります。豊乳術の既往のないこと,無症状で腫瘤のないことが前提です。
④過剰治療 癌でも生涯問題とならないものがあると推定されます。検診は癌が治療可能なうちに見つけて進行癌にならない様にしようとのことで始められました。早期癌が多く発見されるのですが,進行癌の減少は起きていないのです。治療しなくても良い癌を手術していないか懸念されます。

乳がん自己検診

Breast Self Examination (BSE or SE)では医療機関の受診が不要,安価で繰り返しが容易です。外来受診する乳がん例の多くが自分で腫瘤を見つけて受診・治療し治癒します。乳がんの診断法は様々ありますが,癌所見なしとしているだけで完全な非癌証明は困難です。検診と検診の間は自己検診で補う(補間するという)ことが必要となります。1ヵ月に2回以上が必要です。入浴時はできるだけ乳房を手で洗ってほしいのです。

頭頚部疾患

頭頚部疾患について詳しく見る

甲状腺とは

甲状腺はのど仏の少し下にある臓器です。代謝を維持する甲状腺ホルモンを分泌します。内服治療抵抗性・放射性ヨウ素内服困難(小児・妊婦)な機能亢進も手術対象となります。がんが発生することがあります。大きいもの,表面近くあるものは手術対象となります。小さなものは経過観察となります。

上皮小体(副甲状腺)とは

甲状腺に隣接する米粒大の臓器でカルシウム濃度を調節するホルモンを分泌します。上皮小体の機能亢進の多くは小さな腺腫(良性腫瘍)によるものです。過剰な副甲状腺ホルモンのために高カルシウム血症,骨粗鬆症が起きます。消化性潰瘍,膵炎,腎機能障害も起きます。併発症の起きない軽度な間に切除しましょう。

甲状腺の腫瘍

乳頭癌最も多いタイプで予後良好です。
濾胞癌予後良好です。
髄様癌遺伝性に起き,両側多発することがあります。
未分化癌高齢者に起きて予後不良です。
濾胞腺腫濾胞癌との鑑別が難しいことが多い
腺腫様甲状腺腫濾胞腺腫様で出血石灰化を伴います。

補助診断法

エコー 腫瘤,嚢胞,石灰化を描出するが,治療対象とならない微小癌もよく発見される。

CT

腫瘍はよく造影されます。

穿刺吸引細胞診

乳頭癌の診断ができるようです。濾胞癌の診断はできません。

甲状腺癌の治療

外科治療

半切除と全摘 癌罹患側のみを切除するのが半切除です。追加治療をしなくでも甲状腺ホルモンの欠損は起きません。全摘では生涯甲状腺ホルモンの内服が必要です。過剰内服や中断で生命が危険となります。Basedow病の様な良性疾患でも再燃があることから全摘を勧める医師も多くいます。放射性ヨウ素治療131Iを内服します。

化学療法・ホルモン療法

効果は期待できない。

分子標的治療

チロジンキナーゼ阻害剤(TKI),多受容体TKIが開発されています。放射性ヨウ素治療抵抗性,治療困難未分化癌・髄様癌が対象です。副作用も少なくありませんが,かなり有効です。

放射性ヨード療法

甲状腺ホルモンを作る際サイログロブリンが合成されます。この時にチロジン残基にヨードが配位されます。甲状腺がん細胞もサイログロブリンを合成するのでがん細胞放射性ヨードを取り込ませることができるのです。これによって甲状腺がんを被曝死滅させることができます。正常甲状腺は大量にサイログロブリンを合成するので無関係の周囲臓器を被曝させるので甲状腺全摘除されていることが前提です。

甲状腺癌の腫瘍マーカー

サイログロブリン

甲状腺ホルモンの材料となります。性状甲状腺では濾胞が形成されその中に蓄えられます。暗褐色で甲状腺の色調の元になります。甲状腺が破壊されたときに漏れ出しますが,濾胞上皮ががん化した場合には貯留する濾胞がなく上昇します。初回治療時では1000ng/mL以上となることがあります。甲状腺全摘後の上昇は再発を疑います。

CEAとカルチトニン

CEAは様々の癌腫で上昇しますが,甲状腺C細胞の癌化で上昇します。C細胞はカルチトニンといってカルシウムを低下させるホルモンを分泌します。C細胞は癌化するとアミロイドを沈着する髄様癌となります。家族内発生することがほとんどで予防的甲状腺全摘で対処しますが,散発性にも発生するので注意が必要です。また,同時期に副腎の褐色細胞腫(癌のことが多い)を発生(Sipple)し,高血圧の原因となります。

甲状腺癌の検診

かつて行われたことがあり,多くのがんが見つかります。しかし,非検診群に比べた死亡率の減少がなく,行われなくなりました。再発率の低下,反回神経麻痺の頻度低下などの評価で見直されることがあるかも知れません。

外来担当医表

受付時間

受付時間 診療開始時間
平日 午前 8:00~12:30 9:00~
午後 12:35~17:00 14:00~
土曜 午前 8:00~12:00 9:00~

外来担当医表

B館

午前 診察室28 森本(予約制)
午後 診察室28 森本(予約制) 森本(予約制)
  • ※初診の方は電話にてお問い合わせください。

乳腺頭頚部外科常勤医紹介

乳腺頭頚部外科医 森本 健

乳腺頭頚部外科医森本 健

  • 専門:
    • 乳がんを主とする乳腺疾患、甲状腺癌を主とする甲状腺疾患
  • 卒業大学:
    • 大阪市立大学
  • 資格:
    • 医学博士 乳癌学会乳腺専門医・指導医
    • 日本外科学会 認定外科専門医
    • 日本乳癌学会 認定専門医
    • 日本化学療法学会 評議員
    • 日本感染症学会 評議員
    • 日本外科感染症学会 議員・教育委員
    • インフェクションコントロールドクター(ICD)
    • 検診マンモグラフィ読影講師
    • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 所属学会:
    • 日本外科学会
    • 日本乳癌学会
    • 日本内分泌外科学会
    • 日本乳癌検診学会
    • 日本化学療法学会
    • 日本感染症学会
    • 日本外科感染症学会