イムス札幌消化器中央総合病院はIMS(イムス)グループの病院です。

IMS(イムス)グループ医療法人社団 明生会 イムス札幌消化器中央総合病院(旧称:琴似ロイヤル病院)

診療科紹介

外科・乳腺外科について

当院は病院名の示す通り消化器病の治療に特化した病院で、この領域の疾患に対する治療において短期間で数多くの実績を積み上げてきました。しかし増加傾向にある他の疾患、特に乳癌、肺癌、動脈硬化性病変などにおける外科的疾患に対しても急性期・総合病院としての的確な診断と治療が求められる場面も少なくありません。当科は平成27年4月に新設されましたが、このような消化器病以外の疾患にも対応し総合病院としての外科全般の機能と実力をさらに強化するべく現在鋭意準備を進めております。

当科で現在診療可能な疾患

・乳腺疾患
・甲状腺疾患
・慢性閉塞性動脈硬化症
・血液透析用の内シャント作成、手直し
・下肢静脈瘤
・肺腫瘍
・その他体表の腫瘤(粉瘤や脂肪腫など)

診察・治療について

(1) 乳腺疾患
① 乳がん検診

マンモグラフィーを導入し乳がん検診を平成27年10月から開始しました。
当院で導入したマンモグラフィーは従来の機器に比較し、より微小な病変を描出可能としたトモシンセシスと呼ばれるものです。従来の写真では正常な乳腺組織に隠れてしまっていた病変をCT画像のように任意の断層像に再構成し見つけやすくするものです。トモシンセシスは全国的にも十分に普及していない最新鋭の機器で、私たちもこれまで見つけづらかった病巣の早期発見に大きな期待をよせているところです。札幌市内医療機関のマンモグラフィー導入数49施設のうち当該機器は3施設しか導入されておらず、当院が4施設目(札幌市西区では初の導入)となります。(H27年10月現在)また当院の乳がん検診は可能な限り女性医師および女性放射線技師・生理検査技師が担当し、さらにトレーニングを受けた検診マンモグラフィー読影医師3名・乳癌学会認定医師1名のあわせて4名の医師で所見の判定を行います。したがって検診の結果判定や診断の精度・質はきわめて高いものと自負しています。
乳がんは爆発的に増加の一途をたどっており近い将来には女性の8人に1人が罹患するという予測もありますが、乳がんに罹患しても早期に発見し適切な治療を受けることで治癒する可能性が高く、また乳がんの早期発見や治療成績の向上に検診の有効性も示されています。しかしながら札幌をはじめ北海道の女性の乳がん検診受診率は20%台と未だ低く、当地は全国的にも低い水準の地域です。当院の乳がん検診参入が少しでも検診受診率の向上につながればと願ってやみません。

トモシンセシス

当院で導入した次世代
マンモグラフィー(トモシンセシス):
セノクレア®

従来のマンモグラフィー(2D画像)

従来のマンモグラフィー(2D画像)

トモシンセシスの画像

トモシンセシスの画像

従来のマンモグラフィー(左図)でははっきりしない乳腺の腫瘍が、
トモシンセシス(右図)では明瞭となった1例
(写真提供:GEヘルスケア・ジャパン株式会社)

② 乳がん診療

もし検診で精密検査が必要になった場合は引き続き当院外科で、必要に応じて血液検査、CT検査、超音波検査などとともに細胞診、組織診断などをおこない確定診断をつけることができます。そのうえで乳がんと診断された場合には、手術を含めた適切な治療方針を、乳癌診療ガイドライン(日本乳癌学会編)などに準拠し科学的根拠に基づいて担当医から説明いたします。もちろんセカンドオピニオンも患者様の権利ですのでためらわずご活用ください。当院でも手術や薬物治療などの乳がん治療を提供できるように、医師、がん化学療法認定看護師、薬剤師などが中心となってチーム医療を実践しております。

外来化学療法室

外来化学療法室

手術室

手術室

(2) 甲状腺疾患

甲状腺はあまりなじみのない臓器ですが、潜在的に多くの患者様がいるといわれます。
前頸部にある小さな臓器ですが、正常ならば全く目立たないものです。したがって甲状腺が明らかに腫れている場合は(自覚的にも他の人からの指摘でも)検査をお勧めします。甲状腺は体の恒常性を保つ大事なホルモンを分泌する内分泌臓器ですが、ホルモンが過多でも不足しても不具合がでます。これらホルモン異常でも腫れてくることがありますが、甲状腺に腫瘍ができている場合も腫れてくることがあります。外科で治療の対象となるのは多くはこの腫瘍による甲状腺の腫れです。外来では触診の他、CT、超音波検査、細胞診などをおこない治療方針を決定します。これらの検査で悪性(癌)と診断された場合は手術が必要になります。しかし良性の腫瘍の場合でも、頸部は喉頭、気管、咽頭、食道、血管、神経などが密に存在する狭小で特殊な部位であることから、腫瘍がある程度大きくなると圧迫症状をきたすこともあるため、手術を行う場合もあります。

(3) 下肢慢性閉塞性動脈硬化症(カシマンセイヘイソクセイドウミャクコウカショウ)
ABI測定風景

ABI測定風景

生活スタイルの欧米化により動脈硬化に起因する疾患も急増しています。動脈硬化が進行すると血管の弾力性が失われ血管の内側の膜が障害されやすくなり、その結果血管の狭窄(キョウサク=狭くなること)や閉塞(ヘイソク=詰まること)をきたすようになります。心臓の冠動脈や頸部・脳血管にこれらが起こると生命にかかわる重篤な状態に陥る場合もあります。動脈硬化は、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、血液透析など他の合併症があるとさらに進行しやすくなります。動脈硬化症はいわば全身病ですので、心臓や脳の血管ばかりでなく、この影響を受けやすい血管の1つが下肢の動脈です。これが慢性的に狭くなっていきやがて閉塞してしまう病気が下肢慢性閉塞性動脈硬化症です。足が痛い(特にある一定距離を歩くとふくらはぎが痛くなり、しばらく休むと楽になってまた歩けるようになる)といった訴えが、足の血管(動脈)が詰まってきている重要な症状です。これは間歇性跛行(カンケツセイハコウ)と呼ばれますが、病状が進行すると安静時にも痛みが出現し、さらに悪化すると治りづらい潰瘍を作ってしまい最後には壊死をきたします。このような場合には血管の閉塞(詰まること)がゆっくり慢性的に進行し重症化していることが予想されますので早めの受診をお勧めします。
外科では視触診(足の皮膚温、脈がとれるかどうか)、ABI※測定、血液の流れの波形の解析などを行い、血管の閉塞が疑われる場合はCTやMRIによる血管撮影に進みます。その結果により薬物治療を選択するか、カテーテル治療を含む手術的治療を行うかを提示します。現状では当院での手術治療は困難ですので、手術適応のある場合は他の専門医療機関に紹介しています。前述した通り動脈硬化症は全身病ですので、心臓や脳の血管も同程度に進行している場合もあることから、状況に応じ循環器内科や脳神経外科の先生にも診察をお願いする場合もあります。

※ABI(Ankle Brachial Pressure Index):下肢(くるぶし辺り)と上肢(腕)の血圧を同時に測り、その比をとり数値に表す。通常は下肢の血圧の方が上肢より高いので1.0以上になるのが正常。下肢の血管が動脈硬化などで細くなり血流が低下するとこの数値が下がり、一般的には0.8を下回ると間歇性跛行が出現し、以下数値が下がるにつれ症状が悪化、0.4以下は重症な阻血状態といわれる。

下肢ASO MRAngio

 下肢慢性閉塞性動脈硬化症のMRI(MRangiography)所見
 右大腿動脈の閉塞を認めた。

(4) 血液透析用内シャントの作成や手直し

当院は血液浄化センターを有し、慢性維持血液透析患者様が、入院・外来を合わせて約50名いらっしゃいます。主にこれらの患者様のシャントトラブルに対応し、PTA(カテーテルにより血管を拡げる治療)、必要に応じて手術的に手直しを行っています。

腎臓内科(人工透析科)参照

内シャント作成中の手術室の様子です

内シャント作成中の手術室の様子です

PTA施行前の血管造影

1:PTA施行前の血管造影真

PTA施行中の写真

2:PTA施行中の写真

PTA施行後の血管造影

3:PTA施行後の血管造影

  • 1:複数個所の血管に有意な狭窄(矢印部)を認めた。
  • 2:バルーンカテーテルで狭窄部を拡張中
  • 3:十分な拡張が得られ血液透析が可能となった。
(5) 下肢静脈瘤(カシジョウミャクリュウ)

足の静脈が瘤(コブ)状に腫れてくる病気で、クモの巣状あるいは青くチリチリした血管も広い意味で静脈瘤に分類されます。状態の軽いものを含めるとかなりの頻度で女性に多くおこる病気です。お産を経験するとさらに目立ってきますが、長らく立ち仕事に携わっている方ですと男性にもよく見られます。静脈はその弁の働きにより、血液を足の先から心臓に向かって流す役目をしていますが、お産や立ち仕事などにより静脈弁の働きが損なわれ血液の逆流をおこし循環不全にいたると、血管内に血液がとどこおり瘤のように腫れてくるといわれています。症状としては、むくみや足のおもだるさ、夜間就寝時のけいれん、かゆみ、さらに悪化すると治りにくい皮膚潰瘍をつくることもあります。診察するだけで診断がつきますが、静脈内で血液が逆流している所見をドップラー聴診器という特殊な器械をもちいて確認します。血管造影や超音波検査を追加することもあります。多くは弾性ストッキング(締め付けの強い医療用ストッキング)を履くとかなり症状がよくなりますが、手術治療をお勧めする場合もあります。

(6) 肺腫瘍

肺癌も乳癌に匹敵して急速に患者数の増加を示す疾患です。肺癌を手術する設備と陣容は当院にはまだありませんが、この領域にも今後対応できるように準備を進めていきたいと思います。消化器癌患者様にまれに発生する肺の転移性癌、特に大腸癌の場合は手術で取り除く良い適応になります。当面は当院で通院治療されている患者様で孤立性の肺転移が見つかった場合、VATS(胸腔鏡下肺切除術)による低侵襲手術を施行し治療成績に寄与していこうと考えています。

医師紹介

●医師氏名●
氏名 越湖 進(こしこ すすむ) 副院長
卒業年度 平成元年
経歴 旭川医科大学医学部卒業
学会認定資格
所属学会
医学博士
日本外科学会(専門医・指導医)
日本消化器外科学会(専門医・指導医)
日本消化器外科学会 消化器がん外科治療(認定医)
日本呼吸器外科学会(専門医)
日本胸部外科(認定医)
日本乳癌学会(認定医)
●医師氏名●
氏名 田中 栄一(たなか えいいち) 外科副部長
卒業年度 平成2年
経歴 北海道大学医学部卒業
学会認定資格
所属学会
外科 (専門医)
外科 (指導医)
消化器外科 (専門医)
消化器外科 (指導医)
肝胆膵外科高度技能 (指導医)
胆道 (指導医)
がん治療 (認定医)
がん治療認定医 (暫定教育医)
林 明宏
氏名 三橋 洋介(みつはし ようすけ) 医長
卒業年度 平成18年
経歴 東京医科大学医学部卒業
学会認定資格
所属学会
日本外科学会(専門医)
●医師氏名●
氏名 上 奈津子(うえ なつこ) 医長
卒業年度 平成10年
経歴 東京大学医学部卒業
学会認定資格
所属学会
外科 (専門医)
消化器病 (専門医)
胃腸科 (指導医)
消化器内視鏡 (専門医)
がん治療 (認定医)
●医師氏名●
氏名 早馬 聡(はやま さとし)
卒業年度 平成10年
経歴 北海道大学医学部卒業
学会認定資格
所属学会

医学博士
外科(指導医・専門医)
消化器外科(指導医・専門医)
日本消化器病学会(専門医)
消化器がん外科治療(認定医)
がん治療(認定医)
日本肝胆膵外科学会(評議員)
マンモグラフィ読影医

林 明宏
氏名 松本 哲(まつもと さとる)
卒業年度 平成18年
経歴 旭川医科大学医学部卒業
学会認定資格
所属学会
日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医
日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医